自閉症や発達障害の子供と便秘

 

自閉症や発達障害の子供と便秘

自閉症や発達障害の子供には便秘の症状を持つ場合が多く見られます。
海外の研究では健常児と比べて便秘の危険性が2倍から3倍近く高いという報告もされています。

ではなぜ、自閉症や発達障害の子供に便秘が多いのか、様々な面から調べてまとめてみました。

便秘とは

便秘とは何らかの原因で排便の回数が減ったり、長期間において排便をするのが難しい状況を指します。排便の回数は人により「1日に数回」や「2~3日に1回」様々なので、排便の間隔や回数に対する具体的な基準などはありません。

便秘になると「排便の回数が少なくなる」「排便の間隔が長くなる」「腹痛」「下腹部の膨満感」「おならの回数の増加」「残便感」「排便時の肛門の痛み」「血便」等が見られます。

自閉症や発達障害の子供が便秘となる原因

自閉症や発達障害の子供が便秘となる原因を、色々と調べてまとめてみました。


水分の摂取が少ない

自閉症や発達障害お子供の場合、水分をあまりとりたがらない子供もいます。
味噌汁やスープなど水分を多く含む食事を嫌がったり、特定の飲み物しか飲まない事も見られます。

摂取する水分が少ないと、便も硬くなってしまい便秘に繋がります。

偏食

自閉症や発達障害の多くは偏食や異食など、食べ物に関するこだわりや特性を持っています。

特に炭水化物や糖類や肉類を好むことが多く、野菜を食べるのを嫌がってしまうので便秘の原因に繋がります。

野菜には食物繊維が多く含まれています。食物繊維には便の元になる他、腸のぜんどう運動を促進する、腸内の有害物質を吸着し便として排出するなどの効果が有ります。そのため野菜が不足すると便秘になってしまいます。

また、炭水化物や糖類を取りすぎると、腸の動きが弱まってしまうため、これも便秘の原因の一つになります。

腸内細菌の数が少ない

健常の人間の腸内には約3万種類、1000兆個が生息しているとされています。

腸内には善玉菌、悪玉菌、日和菌の3種類があります。
善玉菌は健康の維持を担っている細菌で、悪玉菌は病気の原因となったり腐敗物質を作り出す細菌です。日和菌は腸内の悪玉菌と善玉菌の多数の方に味方する菌で、通常は何もしませんが悪玉菌が多くなると悪玉菌と同様に体に悪影響を及ぼします。

海外の研究では自閉症者はこれらの腸内細菌の種類や数が極端に少ないとの研究報告も有り、自閉症や発達障害の特性や体の弱さも腸内細菌が少ないことで免疫力が低下し、引き起こされているとの考えも有ります。

胃腸の障害や薬の影響

便秘の原因には胃腸の障害や服薬している薬の副作用によるものも有ります。

便秘を引き起こす胃腸の障害には、過敏性腸症候群、胃や腸の腫瘍、胃や腸の炎症、消化器官の狭窄、消化液や分泌液の代謝異常、糖尿病などが有ります。

自閉症や発達障害に関連する薬を飲んでいる場合、副作用として便秘になる事も有ります。

腹筋が弱い

自閉症や発達障害の子供は筋肉や身体の発達が遅れていたり、体を上手に動かすことが苦手な場合が有ります。

排便の場合は筋肉の中でも主に腹筋の力を使います。腹筋が弱いと便を押し出すのが難しくなり便秘となってしまいます。

運動を行わない

上記の項目と同じく、自閉症や発達障害の子供は体の発達が遅れていたり、体を動かすことが苦手であることから運動をする機会が少なくなります。

運動をすると排便の際に使用する腹筋などが強化されるほか、腸が刺激されることにより腸が動き出し排便へと繋がる効果も期待されます。

こだわりのため

自閉症の大きな特徴として、様々な物事にこだわりをもつというものが有ります。

トイレでの排泄に関しても、「自宅のトイレでしか排便をしない」「この時間にしか行かない」などとこだわりを持っている場合、トイレに行く回数が減ってしまい結果として便秘になってしまうことが有ります。

トイレに関してこだわりを持っている場合は、こだわりを和らげたり、トイレに子供の好きなものを置いて気を紛らわすのも効果があります。

感覚過敏のため

自閉症の子供には様々な感覚に対して過敏に反応してしまう「感覚過敏」というものが有ります。
感覚過敏になると肌に触れる触覚で極端に痛いと感じたり、臭いや味に対しても敏感になってしまいます。

感覚過敏で有るため便座に座る感覚が嫌な感覚と捕らえたり、ティッシュでお尻を拭くのが痛いと感じている場合が有ります。また、トイレの臭いを極端にくさいと感じたり、狭いトイレの空間を怖いと感じてしまう事が有ります。

その為、トイレに行くのを嫌がり排便を我慢することで便秘になってしまう事も有ります。

自閉症の便秘対策

運動を行う

自閉症の子供は運動をするのが苦手であったり、嫌いである事が有ります。
単純に運動をするだけだと大人でも嫌になってしまいます。

そこで、比較的子供が好きなトランポリンやバランスボールなどで遊びとして運動ををさせると良いでしょう。
運動をすることで腹筋をはじめとした様々な筋肉が鍛えられるほか、腸へ刺激も伝わり排便に繋がる期待も出来ます。

食生活を改善する

便秘の原因が偏食である場合、食生活を改善することが重要になります。
野菜が嫌いな子供の場合でも、スープに入れたら食べる、細かくしておかずやご飯に混ぜたら食べられるという場合が有ります。見た目や食感で野菜を食べないという事もあるので、調理方法を変えてみるのも効果が有ります。

また、補助食品として乳酸菌を多く含むヨーグルトや乳酸菌飲料、シリアル、サプリメントなどを利用するのも良いでしょう。

浣腸や便秘薬を用いる

慢性的な便秘で自力排便が難しい場合には、浣腸や便秘薬を利用します。
ただし、これらを使用する前には医療機関などに行き、診察をしてもらう必要が有ります。

また、浣腸や便秘薬を使って排便をする事に慣れてしまうと、子供本人も自力で排便をしようとしなくなってしまうので、先ずは便座に座らせて排便を試み、どうしても出ない場合に使うようにしましょう。

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