自閉症や発達障害者が独特な話し方や言い回しをする理由

 

自閉症や発達障害は独特な話し方や言い回しをする

自閉症や発達障害の子供は独特な話し方や言い回しをする事がみられます。

比較的多いものには、「疑問系や疑問文で話す」「誰にでも敬語で話す」「改まった話し方や大人びた話し方をする」「極端に丁寧な言葉使いをする」「早口でしゃべる」「独特なイントネーションを使う」「抑揚の無い一本調子な話し方」「名詞と動詞だけで話す」「かん高い声で話す」などです。

もちろん全ての自閉症や発達障害の子供がこの様に話すわけでは有りませんが、話し方は大きな特徴のひとつでもあります。

では何故、自閉症や発達障害の子供たちは、このような独特な話し方や言い回しをするのか調べてみました。

独特な話し方や言い回しをする理由

自閉症や発達障害の子供たちが独特な話し方や言い回しをするのには、障害としての特徴や周囲の環境の影響、文章や会話への理解などが考えられます。


オウム返し(エコラリア)

自閉症や発達障害の子供は、人から話しかけられた言葉をそのまま繰り返すオウム返しをする事があります。オウム返しは『エコラリア』とも呼ばれ、話しかけられて直ぐにオウム返しする場合は『即時エコラリア』、以前に聞いた言葉を繰り返すことを『遅延エコラリア』といいます。

即時エコラリアは人から「おなかすいた?」と聞かれた際に、そのまま「おなかすいた?」と返すような状況です。遅延エコラリアは以前の聞いたCMのフレーズやアニメキャラクターの会話などを話す状態を言います。

即時エコラリアは人から聞かれた疑問文をそのまま疑問文で返すため、その様子から自閉症や発達障害の子供は疑問系で話す事が多いと捕らえられてしまいます。

基本的に人から話しかけられる言葉は疑問系が多いため、それが正しい文法だと思い、自分が何かを要求する際や否定する際にも、疑問文で答えてしまうということにも繋がります。

関連ページ
言葉のオウム返し(鸚鵡返し)とエコラリア| 発達障害-自閉症.net

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テレビやアニメの影響

子供はテレビやアニメなどの影響を大きく受け、フレーズや台詞、テーマソングなどを直ぐに覚えてしまう特徴があります。言葉に関してもテレビやアニメなどに影響されることが多く有ります。

比較的多く目にするものでは、ニュースキャスターや天気予報の真似をして似たようなトーンや文法で話したり、アニメキャラクターの口癖やイントネーションで話すことがあります。

ニュースキャスターは正しい日本語で、聞き取りやすい早さとトーンで話すので、子供たちにとっても耳に入りやすいようです。アニメに関してはキャラクターの動きが映像として目に入るのと、声優さんの独特な声などが印象に残りやすいのでしょう。

また、CMのフレーズも視聴者の心に残りやすい音楽やテンポで構成されているので、子供たちも覚えて話しているのを耳にします。

電車が好きな子供の場合、車掌さんや駅員さんなどの放送を真似して、電車の放送風に放したりする事もあったり、関西のお笑い芸人が好きな子供の場合、関西人でもないのに関西風のイントネーションや「なんでやねん」「ほんまでっか」「おおきに」などの関西弁を話す事があったりします。

家庭内の影響

家庭内の影響で話し方も変わることがあります。

例えば兄弟にも発達障害者がいる場合にそれを真似してしまったり、親兄弟が日常的に悪い言葉を使っている家庭だと「うるせー」「ふざけんな」「ぶっとばうぞ」など汚い言葉を使ってしまうことがあります。

育児放棄をされてしまった子供で親から酷い言葉遣いを受けていたため、それが普通の言葉だと思い込んでしまい、悪い言葉を話してしまう子供も見た事があります。

また、国際結婚などで両親の一方が外国人の場合にも、正しい日本語の話し方やイントネーションが違ってしまうため、子供の日本語の話し方もどこと無く片言の外国人風になってしまう事もあります。

言葉の意味が判らない

自閉症の大きな特徴に「コミュニケーションの困難」と言うものがあります。これは、言葉や文字、ジェスチャーなどを使って、相手と意思の疎通をする事が難しいということです。

自閉症や発達障害の子供はしゃべることが出来ても、実際にその言葉の意味を理解していない場合や、適切な言葉が思い浮かばずにパッと思い浮かんだ言葉や言いやすい言葉を話してしまう事があります。

会話の話し始めや言い回し、分の区切り方などが、本人の使いやすい言葉を多用してしまうので、独特の言葉遣いになってしまう事があります。

使える言葉が少ない

覚えている言葉や使える言葉自体が少ないため、言葉や会話の幅が広まらずに特定の言葉遣いを多くする事があります。

物の名前である名詞や、動作を表す動詞は理解していても、形容詞や助詞が分からず、「お菓子食べたい」など名詞と動詞だけで話したりすることも多いです。

物の名前などの名詞や、言葉の言い回しなど、語彙が少ないことで日常の会話で使える単語や文法の幅も狭まってしまうため、会話や表現が似たようなものになってしまい独特の言葉遣いになる事があります。

なお、会話の出来る子で有れば、学習して成長するにつれ、多くの言葉を学んでいくため、徐々に会話の幅も広くなっていきます。

特定の人としかかかわらないため

自閉症や発達障害の子供はコミュニケーション能力の困難などから、人と付き合うことが苦手であったり難しいと感じている事があります。

特に同年代のお友達と対等の付き合いをしていることが少なく、両親や祖父母、学校の先生、学童や放課後等デイサービスのスタッフなど、大人とのコミュニケーションが多いことが見られます。

そのため、言葉遣いなども子供らしいものではなく、大人が使うような言葉遣いや敬語などを自然に覚えて大人びた会話をする事があります。

発音が難しい

自閉症や発達障害の子供の中には、口や舌の筋肉の発達が遅い場合があります。

口や舌の筋肉の発達が遅いと、口を閉じたりすることや、息を上手に吸ったり吐いたりするのが難しくなります。また、口の動きや息を上手に吐くことが出来ないため、言葉を発するのにも影響が出てしまいます。

特に濁音(が・ぎ・ぎ・ぐ・げ・ご等)や、半濁音(ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ・ぴゃ・ぴゅ・ぴぇ・ぴょ)、小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」などの文字の発音が難しくなり、独特の話し方に聞こえてしまうことがあります。

なお、口の筋肉が弱いと、口を開いていることが多くなったり、口に溜まったよだれを飲み込むことが難しくなるため、よだれをたらしてしまう事にも繋がります。

興奮してしまう

会話が出来てお話が上手な子供でも、自分の好きな話題になると興奮してしまう事があります。

興奮して話してしまうと、早口になったり、非常に大きな声になったり、妙に甲高い声や裏返ったような声で話してしまう事もあります。

また、自分の思いや気持ち、好きな事の情報を一方的に喋ってしまい、相手の様子などに気がつかないこともあります。

文法がわからない

話したい言葉が分かっても、文法が分からないということもあります。

会話や文章には文法という決まりごとがあり、文法に逆らった会話をすると、不自然になったり、意味が違ってきてしまう事があります。

物の名前である名詞や、動作を表す動詞は比較的理解が早いものになります。しかし、文字と文字と繋ぐ助詞(て・に・お・は・が・の・と、等)や、ものの状態を表す形容詞(大きい・小さい・遅い・早い、等)は習得するのは難しい傾向にあります。

そのため会話でも「ごはん食べる」「公園あそぶ」などの様に、名詞と動詞だけの内容になってしまう事も多いです。

また疑問文や否定文の理解も難しい事が多く、自分の要求を疑問文で答えてしまったり、嫌なことに対しても肯定した言い方をしてしまう事もあります。

まとめ

自閉症や発達障害の子供は様々な理由から独特の話し方になったり、言い回し方をする事があります。

会話の内容や話し方が不自然な場合には、その都度「これはこうだよね」「こういう風に言うと相手にわかりやすいよ」など教えてあげると良いでしょう。

また、学校などで話し方の勉強をしたり、場合によっては言語聴覚士などの専門家に見てもらい指導を受けることも効果があります。

話し方が独特であっても、言葉が出ることは素晴らしいです。まずは多くの会話が出来るように、たくさん声をかけたりして会話の機会を増やすよう心がけましょう。

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