ミオクロニー脱力発作を伴うてんかんとは

 

ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん(Doose症候群)とは

ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん(Doose症候群:Doose Syndrome)とは、小児期に発生する脱力発作により転倒を伴うてんかん症候群です。

Herman Dooseにより1960年代に紹介されたことからDoose症候群と命名され、以前のてんかん症候群国際分類では「ミオクロニー失立発作を伴うてんかん」と表記されることがあります。

ミオクロニー脱力発作を伴うてんかんの原因

ミオクロニー脱力発作を伴うてんかんの原因は現在も不明ですが、遺伝子の変異が影響していると考えられています。

ミオクロニー脱力発作を伴うてんかんの患者数

ミオクロニー脱力発作を伴うてんかんの患者数は日本では13歳以下の癲癇をもつ子供のうち0.05%から0.08%がミオクロニー脱力発作てんかんとされ、難病医学研究財団難病情報センターでは患者数を100人未満としています。

アメリカでは、癲癇を持つ子供100人に対し、1名から2名程度がミオクロニー脱力発作てんかんであるとしています。

性別では女児よりも男児の方が多く見られ、患者の約75%が男児とも報告されています。

ミオクロニー脱力発作を伴うてんかんの特徴

ミオクロニー脱力発作てんかんは正常発達した子供のうち、2歳から5歳頃に発症します。最初は全身の筋肉が伸びて硬くなる強直発作と、手足がガクガクと痙攣する間代発作が見られ、後に不意に筋肉の緊張または収縮が起こるミオクロニー発作が頻繁に発生します。

ミオクロニー発作では体が折れ曲がるような「ミオクロニー屈曲発作」と、筋肉が脱力して崩れ落ちる「ミオクロニー脱力発作」が見られます。

ミオクロニー屈曲発作

ミオクロニー屈曲発作では主に腰付近が一瞬で折れ曲がり、前方に飛び出すように転倒します。

ミオクロニー脱力発作

ミオクロニー脱力発作では全身または体の大半の筋肉が脱力する事で、立位を保てたくなり崩れ落ちるように転倒します。

ミオクロニー発作が起こった際に患者の意識喪失は見られず、転倒した後も直ぐに立ち上がったりすることが出来ます。
場合によりますが、数秒から数十秒にわたり意識が無くなりぼーっとする非定型欠神発作や、症状が重い場合には睡眠時などに全身の緊張発作が見られることが有ります。

ミオクロニー脱力発作を伴うてんかんの治療方法

ミオクロニー脱力発作てんかんの治療方法の治療方法は薬品の投与が一般的で、ケトン食療法、ACTH療法なども行われます。

適切に抗てんかん薬治療を行うと多数の子供で発作を抑えることができ、正常な発達をすることが出来ます。
しかし、一部の場合発作による脳への成長阻害などが発生し精神や運動機能の発達が妨げられ、中度の知的障害や運動機能への障害が出る事も有ります。

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