保育所等訪問支援とは

   2019/03/13

保育所等訪問支援とは

保育所等訪問支援とは障害者自立支援法、および改定された障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)、児童福祉法に基づく障害児の支援事業です。

主に保育所など支援対象の障害児が通う集団活動の施設を訪問し、障害児本人の支援と、施設の職員への支援を行います。

実際に保育所等訪問支援とはどのような支援を行う事業なのか紹介します。

保育所等訪問支援の目的

保育所等訪問支援のそもそのも目的としては、障害のある子供の地域社会への参加や包括を目的としたインクルージョンの実現を目標としています。

実際の事業内容としては保育所などに代表される集団生活を営んでいる施設に通う障害児を訪問し、施設において対象障害児とその他の児童との集団生活の適応のために専門的な支援や便宜を提供するものとなっています。

年齢の小さい子においては、家庭内では問題が見られなくても集団生活において問題点や課題が発見されやすいことや、家庭や個別の支援で得た知識や技能が集団の中で対応できない、通所支援施設から一般の保育園や幼稚園に移行した際のフォローアップが難しいという課題があります。

子供本人の問題点以外にも、保育園や幼稚園において個々の子供の障害特性に対応した支援が困難、保育所の職員の知識や能力で対応が難しい、保護者のニーズを保育園や幼稚園が汲み取ることができないという問題もあります。

保育所等訪問支援を行う場所

保育所等訪問支援の事業で訪問を行う場所には、子供が通所をして集団生活を送る施設や場が対象となります。

児童福祉法においては『保育所その他の児童が集団生活を営む施設として厚生労働省令で定めるもの』と定義されており、保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、特別支援学校、その他児童が集団生活を営む施設として市町村が認める施設となっています。

市町村が認める施設としては、放課後児童クラブ、中学校、高等学校などのほか、地域の実情に合わせた施設などが想定されます。

なお、平成30年から対象施設が拡大され、乳児院と児童養護施設に入所している障害児も対象となりました。

参考:厚生労働省『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律の施行における新サービス等の取扱いについて(PDFファイル)

保育所等訪問支援の支援員

保育所等訪問支援では少なくとも児童発達支援事業や放課後等デイサービスと同等の支援を提供することが必要となります。そのため基本的な支援員は保育士や児童指導員が基本となるほか、理学療法士、作業療法士、心理担当職員などが妥当とされています。

また、上記職員の中でも、子供が集団生活への適応のための専門的な技術を持つことや、各種課題への適切な支援が行える事が必要となります。

実際の支援については訪問先へ単独で出向き支援を行うことから、その場に合わせた支援が行える知識と経験が必須となります。ニーズや支援内容によっては分野ごとに支援員を変えたり、必要とされる支援を行うため複数人でチームを組んで行うことも求められます。

訪問支援員特別加算(専門職員が支援を行う場合)を事業所が取得する際には、『理学療法士、作業療法士、言語聴覚士若しくは保育士の資格を取得後又は児童指導員、児童発達支援管理責任者、サービス管理責任者若しくは心理指導担当職員として配置された日以後、障害児に対する直接支援の業務、相談支援の業務又はこれに準ずる業務に5年以上従事した者』または『障害児に対する直接支援の業務、相談支援の業務又はこれに準ずる業務に10年以上従事した者』と定められており、5年または10年の実務経験が必要になります。

保育所等訪問支援の支援内容

保育所等訪問支援は子供に対して直接の支援を行います。
基本的な支援は集団生活への適応が難しい子に対し、子供本人の特性を理解した支援や、環境面の整備、本人だけでなく周囲の子を含めての支援、活動の組み立ててなどを行います。

子供への直接支援以外にも、保育所などの施設職員への支援も重要な項目のひとつになります。子供へのかかわり方や支援時の困りごとや不安などをヒアリングして対策を伝えたり、施設職員の技術や知識の向上、子供への適切なかかわり方やポイント、適切な環境設定などを伝えることも重要な支援になります。

保護者への支援も必要です。
訪問をして行った支援の内容のほか、訪問先での様子や状況、周囲の子供や職員とのかかわり、問題点の改善状況などを伝え、保護者の不安を取り除くことも重要なことになります。

また、保護者との関係を強め、そのつど相談を受けたり、今後の支援に結びつく情報をやり取りするのも重要となります。場合によっては子供に直接支援を行っている場に参加してもらったり、職員へのアドバイスを行う場に立ち会ってもらい保護者にもアドバイスを行うといったことも必要です。

保育所等訪問支援の訪問頻度

保育所等訪問支援の訪問頻度は概ね2週間に1回程度を想定しています。なお、集団生活で不適応や問題行動などが見られる場合、緊急性の高い場合などは訪問頻度をあげて支援を行います。

子供が成長し訪問先での活動に適応している場合については、訪問頻度を少なくしていくこともあります。

利用に関しては通年的なものから、進級時や学年があがった際、夏休みや春休み後、運動会や発表会などの行事前後など、子供の気持ちが不安定になる時期を中心としたものもあります。

基本的には保護者のニーズや子供本人に必要とされる訪問回数が得られるように、相談支援事業所との情報交換を行い適切な支援計画を作成する必要があります。支援計画については定期的なモニタリングを行い、対象児童の成長や発達状況を確認し、訪問回数も適したものにします。

保育所訪問支援の訪問時間

保育所訪問支援が訪問先に訪れて支援を行う時間は、決まりはありませんが2時間から半日程度が妥当であるとされています。

その中で子供への直接支援は1時間から2時間、訪問先職員への支援が1時間程度となっています。

訪問先のスケジュールなどから連続した支援時間が取れない場合には、午前と午後に分けたり、1つの支援として別日にするといった対応をとる必要もあります。基本は訪問先の活動に沿って支援を行うため、支援員と訪問先の都合のよい時間を調整し、支援を組み立てます。

保育所訪問支援の対象児童

保育所訪問支援の対象児童は集団生活へ適応が困難であったり難しさが生じるおそれのあり、保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校など集団生活を行う施設に通っている障害のある児童です。

通所支援を平行して利用している子の場合には、未就学児なら児童発達支援との連携、学齢期の児童の場合には放課後等デイサービスとの連携も考慮する必要があります。

障害については、知的障害、身体障害、発達障害、重症心身障害児、医療的ケアの必要とされる子となっており、医学的な診断書や障害者手帳の有無は問いません。

保育所等訪問支援を行ううえでの注意点

保育所等訪問支援は訪問支援員が保育園などの訪れ、子供の様子を近くで確認したり、場合によっては一緒の活動に参加することもあります。その際に支援員に対しての信頼関係や、支援員という第三者が介入した際に適応できない子の場合などは、訪問されること自体が抵抗となる場合もあります。

特に知的な遅れや知的障害を伴わない発達障害などの子の場合や、年齢が高く状況の理解ができる子などの場合には注意が必要となります。

支援員が抵抗となる場合には子供との信頼関係の構築や、子供に訪問支援員が訪れる理由や支援内容を説明し、理解をしてもらうことも必要となります。

参考:厚生労働省『保育所等訪問支援の効果的な実施を 図るための手引書(PDFファイル)

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