コケイン症候群とは

   2015/08/23

コケイン症候群とは

コケイン症候群(Cockayne Syndrome)とは10番染色体の異常を原因とする先天性の遺伝子疾患です。

ウェーバー・コケイン症候群(Weber-Cockayne Syndrome)、ニール・ディングウォール症候群(Neil-Dingwall Syndrome)とも呼ばれています。

DNAの修復機能の異常から転写と修復がされず、身体の様々な機能に影響がでる疾患です。遺伝子が修復されないため顕著な老化現象が起こる為、早老症の一つにも数えられています。

コケイン症候群の原因

コケイン症候群は10番染色体に存在するERCC8遺伝子(excision repair cross-complementation group 8)または、ERCC6遺伝子(excision repair cross-complementing group 6)の異常が原因となっています。

ERCC8遺伝子はコケイン症候群の約25%の原因、ERCC6遺伝子は残り75%の原因とされています。

コケイン症候群の発生率
コケイン症候群の発生率は難病医学研究財団 難病情報センターによると約100万人に2人とされています。

平成24年度時点での日本での患者数は約80名で、半数の40名が既に亡くなられています。

コケイン症候群の種類

コケイン症候群には以下の4つの種類が有ります。

  • CSⅠ型
  • CSⅡ型
  • CSⅢ型
  • XP-CS型(色素性乾皮症-コケイン症候群型)

CSⅠ型

「古典的コケイン症候群」と呼ばれていた種類で、出生時は正常ですが2歳までの間に成長の遅れが見られ始めます。

「神経の異常」「皮膚の異常」「眼の異常」「歯の異常」「生殖器の異常」「消化器の異常」など様々な身体の影響が見られる場合が有ります。

多くが10歳から20歳で亡くなりますが、ごく稀に30代まで生存することも有ります。

CSⅡ型

以前は「COFS」「Pena-shokeir 症候群II型」とも呼ばれていました。
「先天的コケイン症候群」と呼ばれることがあり、出生時から成長の遅れが見られます。

脳や神経の発達はほとんど見られず、先天的に「白内障」「関節の萎縮」「脊柱の異常や変形」などが見られます。
重度である為、大多数の患者は7歳までに亡くなります。

CSⅢ型

コケイン症候群の中でも比較的軽度で症状も遅れて発生するため、発育は良好で認知や知的な面もある程度成長します。

XP-CS型(色素性乾皮症-コケイン症候群型)

色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum)とコケイン症候群型の両方の特徴を併せ持つタイプです。

色素性乾皮症とは皮膚のDNAを修復する機能が低下してしまう、常染色体劣性遺伝による染色体異常です。

コケイン症候群の特徴

コケイン症候群の大きな特徴としてDNAの修復機能が正しく働かないため、紫外線などを受けると皮膚が傷つき、その後の回復も非常に遅れてしまいます。

また末梢神経の障害、視神経萎縮、白内障、難聴、早発老化などが見られ「早老症」の1つにも数えられています。

成長もある程度の段階でとまってしまうため、低身長、小頭症などの症状も見られます。

知的の面でも2歳から4歳程度で発達障害や成長の遅れが見られ、知能の発達はその時点でほぼ止まってしまうので、重度から中度の知的障害となります。

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