自閉症は水が好き

   2017/06/11

自閉症は水が好き

自閉症の子供に良く見られる特徴に、水が好きという事が有ります。
水への興味も「見て楽しむ」「触って楽しむ」「水道やトイレを流して楽しむ」など様々です。

ではなぜ自閉症の子供は水が好きなのか、その理由などを調べてまとめてみました。

なお、全ての自閉症の人が水が好きなわけではなく、中には水が嫌いであったり、水に濡れることを嫌がる人もいます。

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自閉症の子供が水を好きな理由

自閉症の子供が水を好きな理由については様々考えられますが、このページでは「水の流れや動きをが好き」「水が光る様子が好き」「水の感覚が好き」「手遊びとして好む」の項目からまとめてみました。

水の流れや動きが好き

自閉症の子供は繰り返し動くものや、一定の間隔で動くものが大好きです。
そのため、蛇口をひねると常に同じように流れる水を好みます。

水も蛇口をひねって流す水や、水洗トイレのレバーをひねって流したりとそれぞれです。子供によっては水洗トイレ自体の水ではなく、トイレ上部のタンクに水を流し込む部分の水の流れを好む場合も有ります。

一定に動くものに興味を抱く子供の場合には、水以外にも扇風機や換気扇、エアコンの室外機のファン、自転車や三輪車のタイヤなどクルクルと回るものを好んで覗き込んでいる事もよく見られます。

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きらきらと水が光る様子が好き

自閉症や発達障害の子供は視覚からの刺激に敏感である事が多く、様々な光のきらきらした様子や光の動きなどに強い興味を示すことが有ります。

水が光る様子が好きな子供は公園の噴水や、インテリア用の水時計、その他キラキラ光る飾りやディスプレイなどを好みます。また、ミラーボールやプラネタリウム、LEDライトを使った玩具などで遊ぶのも大好きです。

このような子供には感覚統合訓練やリラクゼーションに用いられている、スヌーズレンという光と映像などを用いた療育ツールも効果があると思います。

水の感覚が好き

自閉症の子供は感覚に敏感であることから、水を触るのが大好きな子供が多いです。水を触る意外にもプールで泳いだり、水を頭からかぶるのを好む場合も有ります。

しかし、水遊びが大好きでも、手を洗うのを嫌がったり、顔や頭に水がかかるのが嫌いという子も見られます。プールは大好きだがお風呂は嫌がるというパターンも有ります。

中にはプールでもバケツで頭から水を被ることを好んでひたすら水をかけ続けている子や、水を口に含んで吐き出すのを好む子なども居るのでその場に有った楽しみ方をさせる必要が有ります。

水の感覚が好きな子供は自宅でも水道から水を出して遊ぶ事も有ります。その際には水を出しっぱなしにしないようにしたり、室内を水浸しにしないように注意をする必要が有ります。
室内などを水で水で濡らしてしまった場合には、本人に拭かせると療育としても良い効果が見られると思います。

手遊びとして好む

その他として自分の唾などを触って遊んでしまう場合や、テーブルや窓ガラスなどに唾を吐いて塗ったり延ばしたりすることを好む場合が有ります。唾で遊んでしまうのは周りから見ると不快であったり不潔に感じたりしてしまいます。

唾遊びの対処法には、唾代わり塗らしたタオルや霧吹きなどを手渡し、そこからの水で遊ばせるようにすると唾で遊ぶのを止めることができます。

また、手洗い用のジェルなども唾の代替品になります。ジェルならば手洗い代わりの殺菌にもなり清潔ですが、飲み込んだり指をなめたりしないように注意が必要になります。

水を使う場所

日常生活で水が有る場所と言うと、お風呂、トイレ、洗面台、庭の水道などになると思います。学校などではプールがあったり、療育センターや子供センターでは水遊びなどを取り入れている場合も有ります。

お庭のある家庭ではビニールプールを1つ置くだけでも、十分に子供が水遊びをする事ができます。

地域によっては支援学校や公立プールが障害者用のプール教室として解放している場合や、スイミングスクールで障害者クラスを運営している場所もあるので地域の施設に問い合わせてみると良いでしょう。

また、大きな公園などにも「じゃぶじゃぶ広場」「水遊び広場」などの施設が在る場合もあるので、そこを利用するのも良いと思います。ただし、公園には池や川などが流れている場合もあるので、目を離した隙に子供がそちらに飛び込まないように注意する必要が有ります。

まとめ

自閉症の子供は水が大好きです。しかし、水が好きだから自閉症と言うわけでは、障害の無い子供でも水遊びや水を用いた泥遊びなどは大好きです。
逆に、水を触ったりするのも苦手な子供も居ます。

水が好きな子供の場合にはその理由を発展させ、感覚を好む子なら粘土遊びに、光など目からの感覚が好きな子ならスヌーズレンを利用するなど、今後の成長につなげていくのが良いでしょう。

水につかるのができればプール活動としてスイミングスクール等に通い、泳ぐ練習を通して体全体を鍛えるのも良いと思います。

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