特別支援学校とは
特別支援学校とは
特別支援学校とは日本の障害児や病弱・虚弱児に対して、教育と自立を図るための知識や技能習得を行わせることが目的の学校です。
学校教育法第8章「特別支援教育」の第72条には「特別支援学校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。以下同じ。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。」と定められています。
特別支援学校の種類
特別支援学校には以前の特殊教育諸学校の名残から「盲学校」「聾学校」「養護学校」と呼ばれるものも有ります。
盲学校
盲学校とは目の不自由な視覚障害を持つ子供に対して教育を行う特別支援学校で、「視覚特別支援学校」と呼ばれる事も有ります。
教育内容は国語・数学・理科・社会など通常の学校と同様の教育のほか、視覚障害の克服方法、点字、白杖歩行の練習、按摩や鍼治療やマッサージ師の技能講習なども行っています。
聾学校
聾学校とは耳の不自由な聴覚障害を持つ子供に対して教育を行う特別支援学校で、「聴覚特別支援学校」「聴覚支援学校」と呼ばれる事も有ります。
教育内容は国語・数学・理科・社会など通常の学校と同様の教育のほか、手話の教育などを行っています。
養護学校
養護学校とは盲学校と聾学校に以外の特別支援学校に用いられていた名称で、身体障害を持つ子供、知的障害を持つ子供、病弱や虚弱の子供に教育を行う学校です。
2006年6月に 「学校教育法等の一部を改正する法律案」が可決し、2007年4月に特別支援教育が実施されたことにより養護学校から特別支援学校に名称が変更になりました。
特別支援学校の教育
特別支援教育は理念として「障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。」と文部科学省で定めています。
そのため特別支援学校では国語、数学・算数、理科、社会、英語、技術・家庭、情報、体育、音楽、美術など通常の学校と同じ教育のほか、障害や子供の特性に合わせ能力を伸ばしたり、障害を克服できるような教育も行います。
自立活動とは
また、特別支援学校では「自立活動」と呼ばれる、自立を目指して学習や生活を行っていける事を目的とした教育も有ります。
自立活動は「個々の児童又は生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を培う。」と文部科学省で定めています。
自立活動には「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」「コミュニケーション」の内容があり、子供の障害の状態や発達の段階などに基づき指導の計画となる「指導計画書」を作成し具体的に指導内容を設定しています。
特別支援学校の学校数
日本全国の特別支援学校の学校数は、平成26年5月1日現在で1,096校となっています。
内訳は視覚障害の学校が85校、聴覚障害の学校が118校、知的障害の学校が725校、肢体不自由の学校が340校、病弱や虚弱の学校が145校となっています。なお学校数は複数の障害対象としている場合は重複した数となっています。
特別支援学校に在籍している生徒・児童数
日本全国の特別支援学校に在籍している生徒数は平成26年5月1日現在で135,617人となっています。
内訳は視覚障害児が5,750人、聴覚障害児が8,593人、知的障害児が121,544人、肢体不自由児が31,814人、病弱・虚弱児が19,955人となっています。
学部別では幼稚部が1,586人、小学部が38,168人、中学部が30,493人、高等部が65,370人となっています。
なお、それぞれの人数は複数の障害を併せ持っている場合は重複した数となっています。