発達障害児や知的障害児への性教育
自閉症などの発達障害や知的障害の性教育
障害を持った子供がある程度の年齢になると心配になるのが、性への意識や関心についてです。実際に異性に興味を示したり、性器弄りを始めた際にどのように対処をすれば良いのか思うことも多いでしょう。
性への関心や行動は人として成長していく上でとても重要な事となり、避けてはならない項目となります。この際に必要となるのが性教育で、性教育により正しい性への知識や行動方法を学ばなくてはいけません。
性への関心だけでなく、二次性徴による自分の体の変化に戸惑ったり、人を好きになった場合にどの様な行動を取ればよいのか分からないといったこともあります。
では実際に発達障害や知的障害を持った子供にどの様な性教育を行えばよいのか、必要と思われる事項をまとめてみました。
性教育とは
性教育とは人間の性行動に関することを教育することです。
性教育で学ぶことには、性器や身体の変化、性別や生殖、性行為や避妊、妊娠や出産、性感染症の予防、思春期の不安や悩みへの対処、男女の生き方、男女の交際や関係、性被害や加害、など幅広い分野に及びます。
日本においては学習指導要領において、小学四年生において「体の発育・発達」、小学五年生で「心の発達及び不安,悩み」、中学1年生において「心身の機能の発達と心の健康」について学ぶと定められています。
子供の性的発達
子供の性教育として、まず最初に子供の性的な発達を知る必要があります。子供が自分と同姓であれば、大体の流れが分かると思いますが、異性の場合は理解するのがなかなか難しい部分も多いでしょう。
子供の性の発達状況として参考となるものに日本性教育協会による『青少年性行動調査』という調査結果があります。
この調査によると、一般的な子供の性的発達パターンは男子だと「性的関心」→「異性と仲良くなりたい」→「射精」→「性的興奮や異性の体に触りたい」→「マスターベーション」→「キスをしたい」→「異性とのデート」→「異性と交際」→「異性の体に触る」→「キス」→「ペッティング(愛撫)」→「性交」の順で発展していきます。
女性のパターンでは「月経」→「異性と親しくなりたい」→「性的関心」→「異性から交際を申し込まれる」→「デート」→「キスをしたい」→「異性に体を触られる」→「性的興奮」→「キス」→「異性の体を触りたい」→「マスターベーション」「ペッティング」→「異性の体に触る」→「性交」の順で発展しています。
この結果から男性のほうがマスターベーションを行う時期が早いと言う事と、異性の体に障りたいという欲求が強いことがわかります。
発達障害を持つ子供の場合も、年齢や時期の前後はあるにせよ、上記のような気持ちや行動により性的な発達が段階的に見られます。
参考:日本性教育協会『青少年性行動調査』
性教育に必要なこと
実際に性教育にはどの様な項目を教えて理解してもらう必要があるのか以下にまとめてみました。
性教育には学ぶことも多く、子供の発育や理解の程度にあわせて必要なことを教えてあげましょう。
自分の体を知る
性教育の第一歩は自分の体について知ることです。自分の体の作りや部位の位置を知ると共に、自分と他人の見た目(大きさ、色、形など)が異なるということを知り、一人ひとりがそれぞれ違いがあるということを理解する必要があります。
人のプライベートゾーンを知る
プライベートゾーンとは、自分の体の中でも下着や水着を着る際に隠れる部分を指します。具体的には、股間、性器周辺、お尻、女性は胸部分となります。
プライベートゾーンは自分の体で大切な部分であることから、人に見せたりしてはいけないことを教えましょう。また、他人のプライベートゾーンを触ったり、意識して見てはいけないという理解も必要になります。
なお、他人にプライベートゾーンを触られたり、無理に見られたりした場合には、「嫌だ」という事を示したり、周囲の人に助けを求めるなどの方法を教えましょう。
羞恥心について知る
羞恥心とは人前などで恥ずかしいと感じることです。発達障害の子供が羞恥心を理解するというのは難しいですが、人前では行ってはいけない行為などをルールとして教えてあげる必要があります。
基本的なルールには「プライベートゾーンは人前では見せない」「人前で性器を触らない」「シャツや下着は服にしまう」などがあります。
小学校高学年から中学生ぐらいになったら、お風呂は一人で入る、寝るときは一人で寝るなどのプライベートの空間を作ってあげることも重要になります。プライベートの空間を作ることで、人前では行えない性器弄りやマスターベーションをする場を提供することで、羞恥心の理解にも繋がるきっかけになります。
自分の性別を知る
自分が男の子なのか女の子であるのか、自分の性別を知ることも必要になります。基本的に性別は性器の形で分けると理解しやすいと思います。(性同一性障害等は除く)
自分の性別を知ると共に、性器の意味、性器の呼び方や、性器の形状と取り扱い方なども学ぶ必要があります。
取り扱い方にはお風呂での洗い方や、排尿時や排泄時の拭き方、必要がないときには触らないなどです。
また、性器の形状や色や大きさなどは人によって違うこと、体が成長することで大きさや見た目が変化したり、陰毛が生えるといったことも教えましょう。
二次性徴について知る
二次性徴とは、10歳頃から18歳頃までの間に性ホルモンが分泌されることで大人の体へと変化する時期を言います。
男子の二次性徴
男子の二次性徴には、声の低くなる声変わり、喉仏が出る、陰毛・腋毛・髭など体毛の増加、精通、筋肉の発達、男性器の発達などが見られます。
女子の二次性徴
女子の二次性徴には、乳房の発達、腋毛や陰毛などが生える、初経、女性器の発達、皮下脂肪が増え体に丸みをおびるなどが見られます。
発達障害の子供は二次性徴期に起こる自分のか体の変化に対応することが出来ず、不安を感じたり混乱することがあるので、二次性徴に達した際にはこれから起こるからだの変化を伝えて見通しをつけてあげる必要があります。
特に陰毛などの体毛が増えることに不安や不快を感じて毛を抜いたり剃ってしまうといったことや、声変わりして低くなった自分の声に驚いて一時的に発語が減るということが見られます。
性器の大きさや形、体毛の濃い薄い、女性は胸のサイズや色など性的なコンプレックスを抱えたりする事もあると思いますが、人によりそれぞれ違うことを知ってもらうことも重要になります。
勃起と射精
男子は二次性徴で性器が発達すると、ペニスが大きくなる勃起をしたり、射精をする事があります。
勃起は一般的にエッチなことを考えると起こると思われますが、起床時、刺激を受けた際や、自分の意思とは関係なく不意に起きることもあります。人前で勃起をしてしまうと恥ずかしいと思うこともありますが、その際には混乱しないように隠す方法や、別のことに意識を向けるなどの対処法を教えてあげましょう。
射精はペニスから精子が出ることで、大半の男子は二次性徴期に初めての射精である『精通』を経験すると思います。射精には寝ている最中に起こる『夢精』、自分の意思で性器を刺激して行う『マスターベーション(オナニー、自慰行為とも)』、力を入れた際など不意に起こる『遺精』があります。
初めての射精を経験すると、おしっこを漏らしたと思ったり、射精時の刺激や、ペニスから尿とは違うべたべたした物が出て不安を感じると思います。その際には、射精は大人になった証であるという事を教え、、射精した精子をふき取ったり、汚れた下着を洗うなど適切な処理方法を伝えましょう。
月経(生理)
女子は二次性徴期になると始めての月経である初潮(初経)を迎えます。いざ初めての月経を迎えると本人も驚きや不安を感じると思うので、大人の女性になると起こることを予め教えておく必要があります。
月経を教えるためには、大人の女性は月に一度のペースで女性器から出血があることを教えるほか、母親の月経時に立ち合わせて生理用品の取り扱い方や処理方法を教えてあげると効果があります。
月経時には下腹部が痛くなる『月経痛(生理痛)』があること、月経中は出血により性器に汚れや臭いが付くので清潔に保つこと、体の調子が悪いときは体育の授業などの運動を休んでも良いといったことも伝える必要があります。
月経が始まった際には開始日と終わり日の記録をつける事で、次回の月経時期を予め予測して見通しを付ける事が出来るだけでなく、生理不順など体調チェックの目安にもなります。
また、月経前には女性ホルモンのバランスが崩れるため、イライラや不安を感じて精神が不安定になったり、胸の痛み、便秘や下痢、不眠など様々な症状(月経前症候群:PMS)が出ることがあります。
おりもの
おりものとは女性器から出る分泌液で、女性器の表面をバイキンなどから保護したり、内部の汚れを輩出したり、膣内部の潤いを保つための粘液です。
おりものは排卵日になると分泌用が多くなり粘りも強くなります。排卵が終わると量が少なくなり、また排卵日に向けて徐々に増えていきます。
おりものは女性ホルモンの分泌のバロメーターになり、月経の周期を把握する目安にもなります。
なお、おりものに血が混じる、色が茶色くなる、臭いが極端に強くなる、性器にかゆみを生じるなどの場合は病気の可能性もあるので産婦人科の専門医に見てもらう必要もあります。
性器いじり
二次性徴期になると性器に刺激を受けると気持ちよいと感じたり、落ち着いたりするため性器を触ることがあります。
性器を触ることはある意味自然なことであるため、「触ってはいけない」「駄目」などと行為を排除してしまうのは良くありません。
性器を触ってはいけないとインプットされたために、排尿時に触ることが出来なかったり、性器を洗ったり拭いたりすることが駄目なことだと思い込んでしまうことがあります。男児ではマスターベーションを行うことが出来なくなる場合もあります。
性器いじりをしている際には「人前では行わない」「自分の部屋やお風呂やトイレなど場所を限定させる」「寝る前や夜のみなど時間を限定させる」用に対処しましょう。
人前で行ってしまった場合には別のことに興味を向けるように声かけや誘導を行い、それでも難しい場合には人目に付かない場所へ移動させたり、毛布などをかけて周囲の目から隠れるようにしてあげましょう。
性器を触ってしまう行動には性的な面だけでなく、手持ち無沙汰であったり、不安やストレスを感じている場合、陰毛が生えてきてチクチクする、パンツや生理用品の不快感、性器が汚れてかゆみを感じる場合など様々な理由があります。
性器を触る行動が見られた場合には、どの様な時に行っているかを観察し、原因を調べて対処をすることも重要です。
マスターベーション
マスターベーションとは『自慰行為』や『オナニー』などとも言われ、男子ならペニスに刺激をあたえ射精を行う行為で、女子なら乳房や性器を触って性的快感を得る行為です。
現在では一般的にマスターベーションは体に害は無く、至って普通の行いであると考えられています。特に男子の場合には性的欲求を発散させ、気持ちを落ち着かせるためにも必要な行為でもあります。
日本性教育協会の1993年の調査では、高校生の男子の80.7%、女子の12.6%がマスターベーションを行っていると報告されています。
参考:日本性教育協会『第4回青少年の性行動調査』
マスターベーションを行う場合には、性器弄りと同様に「人前では行わないこと」「自分の部屋や風呂場やトイレで行う」など場所を限定することが必要となります。また、性器を触るため清潔な手で行うことと、性器を傷つけないように行うこと、マスターベーション後にはしっかり処理を行い性器を清潔にすることも重要なポイントです。
恋愛について
恋愛感情を持つと相手のことがとても気になったり、他のことに集中が出来なくなってしまうということがあります。その気持ちは「誰にでも起こること」「人を好きになる事は大切なこと」であることを教えましょう。
人を好きになると相手に気にして欲しくなり、変なアピールをしたり、時にはいたずらに近いちょっかいを出してしまう事もあります。逆に相手を意識してしまい、上手く話すことが出来なかったり、緊張してしまう、思っていることとは逆の事を言ってしまう、といったことも見られます。そのような際には難しいことではありますが『自然体で接する』事を教えましょう。
自分が相手のことを好きだとしても、相手は自分のことを好きではないということもあります。失恋をしてしまった場合にはショックが大きかったり、何が起こったのか理解するまでに時間がかかり、精神面でも不安定になってしまうと言った事もあります。
失恋をしてしまった場合に状況が把握できず、好きだった人にしつこく迫ったり、よりを戻そうとすることもあります。しかし、一度振られてしまうとその関係を元に戻すといったことは容易ではありません。
失恋をした際には諦める理解をすることも必要になります。
恋人への接し方
恋人同士となると、二人で接する距離も近くなります。しかし、お互いに好きだからといって相手が自分と全く同じ考えだとは限りません。
自分がキスをしたいと思ったり、相手の体に触りたいと思っても、相手はまだそこまでしたいとは思っていない場合もあります。
基本的には『相手の嫌がることは行わない』『自分が嫌だと感じることはしない』事が重要になります。さらに、自分が嫌だと思うことはハッキリと『嫌だ』と言う勇気も必要になります。
恋愛はお互い対等な付き合いである事が原則です。相手の気持ちになり、自分の思い通りにならないといった事を知るのも重要なことになります。
結婚
結婚とは恋愛を通じ好きになった人と夫婦となり「一生、支え合って二人で生きていく」と決めることです。
結婚をする場合にはお互いを愛し合いよく知り合った上で、良い面だけでなく悪い面や問題点も認めあう必要があります。
日本の法律では男性は18歳以上、女性は16歳以上にならないと結婚できないと決まっており、未成年の場合は父母の同意が必要になります。結婚をする際には婚姻届を書き、役所の戸籍係に提出します。
男女の性行為
異性を好きになり恋愛を経て恋人になると、相手への性的関心や相手の体を触りたいという欲求が強くなりセックス(性交)を行うことになります。
セックスとは裸で抱き合い性行為を行うことで、お互いの体の愛撫から、性器への前戯をへて、女性器に男性器を挿入し男性が射精を行います。本来は生殖行為ですが、性的欲求や愛情表現として行われることの方が多い行為です。
性行為を行う際には避妊を行わないと妊娠する可能性があること、性感染症にかかるか可能性があることなどのリスクや、性行為を行ってよい場所の理解、自分の気持ちを大切にし行いたくない場合は断る勇気を持つと共に相手の気持ちを思いやる必要、本当に好きな相手と行うことなどを理解してもらう必要があります。
性感染症
性感染症とは性行為を行うことでうつる病気の総称です。代表的なものにはHIV(エイズ)、性器ヘルペス、クラミジア、淋病などがあります。
性感染症は潜伏期間が数日から数年と非常に長いものがあり、感染したことが自分では分からない場合があります。性的な行為でうつる病気のため、恥ずかしいという気持ちから周囲の人に教えることが出来なかったり、病院にいく勇気がもてずに重症化する恐れもあります。
性病を予防するためには男性がコンドームを付ける事がもっとも効果的とされています。なお、コンドームを使用したから必ず防げるというわけではなく、ウイルスや細菌が付いた手で性器を触ったり、キスなどでも感染する事があるので注意が必要になります。
性感染症は性行為で感染するのが主な原因のため、不特定多数の人や知らない人との性行為は大変危険であるということを理解してもらう必要があります。
妊娠と出産
男女間で性行為を行うと赤ちゃんが出来る事を知るのも必要な知識となります。
性行為で女性の膣内で男性が射精をし、精子と卵子が出会うと受精し赤ちゃんの元が出来ます。受精した卵子が子宮に着床し、約40週すると赤ちゃんが母体から外へと出て出産となります。
子供から「赤ちゃんは何処から来るの?」「赤ちゃんはどうやって出来るの?」という質問を受けることもあると思います。その際には子供の理解できる範囲で正しい事実を教えてあげる事が重要となります。
基本的には「お父さんとお母さんが愛し合い、子供が欲しいと望んで生まれたこと」と、「お父さんの持つ赤ちゃんの元と、お母さんの赤ちゃんの元が一緒になり、お母さんのお腹の中で育って生まれてきたこと」を、子供の理解にあわせた内容で教えましょう。
避妊
避妊とは男女間で性行為を行っても妊娠しないようにする方法です。
基本的な避妊方法には男性がコンドームを使用する方法、女性の子宮内に使用する避妊器具を使うこと、排卵を行わせない薬であるピルを使用する方法があります。
性行為を行う際には基本的にコンドームの使用を義務付け、避妊を行うようにしましょう。
万が一避妊が出来なかったり、コンドームが破れてしまった場合などには、産婦人科に行き『アフターピル(緊急避妊薬)』を処方してもらいましょう。アフターピルは成功以後72時間以内に使用すると、女性ホルモンに働きかけ子宮内膜への卵子の着床を阻害することができます。
なお、アフターピルによる避妊率は約80%程度のため、必ず避妊が出来るというわけではないので注意が必要になります。
人工妊娠中絶
人工妊娠中絶とはやむを得ない理由により妊娠を続けることが出来なくなった場合に、医療的に妊娠を中断させる方法です。
日本では基本的に妊娠の中絶は禁止されていますが、『母体保護法』により「妊娠と出産が身体的または経済的に母体の健康を著しく害する場合」と「暴行や脅迫などにより無理やり妊娠させられた場合」に人工妊娠中絶が認められています。
人工妊娠中絶は妊娠期間により行える時期と方法が決まっており、妊娠11週までは『初期中絶』として子宮内の胎児と胎盤を掻き出すか吸いだす方法を行います。妊娠12週から22週未満は『中期中絶』として、子宮収縮剤を使用して陣痛を人為的に起こし、出産と同様な方法で胎児を取り出します。
妊娠22週以降は胎児が大きくなり、母体に危険がでるため中絶は禁止されています。
性への情報
現在はパソコンやスマートフォンで気軽に性的関心への情報にアクセスすることが出来たり、本屋やコンビニエンスストアなどで成人向けの性的な雑誌や書籍を手にする事ができます。
また、家庭内でも兄弟や親のアダルトビデオや成人雑誌などを見ることがあるかもしれません。
この様な情報は商業的なものであるため性表現が過剰であったり、性的欲求を煽るような内容になっているので歪んだ性情報を理解しないように注意が必要となります。
スマートフォンやパソコンなどを使っている場合には、有害なサイトをフィルタリングするソフトを使用したり、セキュリティソフトで設定をすると良いでしょう。
インターネットの使用
インターネットを利用しての出会い系サイトや、SNS(ソーシャルネットワークサービス、TwitterやLINE等)で知り合った人と実際に出会い、性的な被害に遭うといった事件も多く発生しています。
出会い系サイトやSNSが悪いわけではありませんが、インターネットには悪意を持った人がいるということや、ウソの情報や別人に成りすましているといった場合も有るので注意が必要です。
性的被害だけでなく、デート商法といった詐欺行為や、風俗などへのスカウト、金銭の要求などといった犯罪行為に巻き込まれる恐れもあると言った事も伝えるようにしましょう。
また、ネットで知り合った相手に自分の裸の写真を送ってしまい、インターネット上に流出してしまうといった事件もあるので、自分の画像や個人情報は不用意に掲載したりネットの相手に送らないようにしましょう。
性的被害の予防
発達障害を持つ人は様々な理由から性的な被害を受けることが多いとされています。それは発達障害の特徴から「性的な被害に遭っていることに気が付かない」「性的な被害を受けても助けを求めることが出来ない」「被害にあった場合にどのように対処をしてよいのかわからない」「社会経験が少ない」などの理由があります。
性的な被害者にならないためには、「知らない人からの誘いには乗らない」「お金や物をあげると言った甘い言葉に騙されない」「何でも相談できる人を身近に作る」「断る勇気を持つ」などがあります。
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性的加害者にならない
性的被害ばかりでなく、本人の知らないうちに性的な加害者になっているという事もあります。
性的な加害には、異性を勝手に触ったり、相手の気持ちを考えずに迫りすぎてしまうと言ったことがあります。
無意識に相手が嫌がる言葉をかけてしまったり、スキンシップを取ってしまうといった、セクシャルハラスメントをしてしまうといった事もあるので注意が必要です。
まとめ
発達障害の時の性教育を行うにあたって基本的なことをまとめてみました。
性教育について否定的な考えがある場合もありますが、性について知らないと被害をこうむるのは子供本人となってしまいます。
重要なのは本人の意見や気持ちを尊重し、性に関する自立を促してあげる必要があります。
このページが、発達障害児の性教育の何らかの手助けになれば幸いです。