癲癇(てんかん) – 自閉症と発達障害の特徴・特性

   2016/02/11

癲癇とは

癲癇(てんかん)とは脳細胞のネットワークにおいて「てんかん放電」と呼ばれる異常な神経活動により発生する「てんかん発作」のある神経疾患です。

WHO(世界保健機関)においては癲癇を「種種の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な放電から由来する反復性の発作(てんかん発作、seizure)を主徴とし、それに変異に富んだ臨床ならびに検査所見の表出が伴う」と定めています。

自閉症と癲癇

自閉症の子はてんかんを持つ場合が多く15%から20%が癲癇発作を伴うとされています。また、癲癇発作を起こしたことが無い場合でも、半数近くの自閉症の子に癲癇を引き起こす可能性のある脳波が見られるといわれています。

なお、知的障害が重度で有るほど、癲癇の発生や癲癇特有の脳波を持つ可能性が高くなります。

癲癇発作の種類

癲癇の症状には、けいれんと呼ばれる「間代発作」、手足が突っ張って硬直してしまう「強直発作」、手足がピクンと動く「ミオクロニー発作」、意識が突然消失してしまう「欠神発作」、力が抜けてしまう「脱力発作」等が有ります。

発作の種類や状態によっては呼吸が止まってしまいチアノーゼ(血液中の酸素濃度が低下し、皮膚や粘膜が青紫色となる状態)が出る事もあるので、癲癇発作が発生した場合には適切な対処が必要となります。

癲癇発作の発生する原因

癲癇発作の発生する原因やタイミングには、「突然の音」「光による刺激」「睡眠不足」「疲れ」「不安や緊張などのストレス」等が有り、自閉症の子の場合は「普段と違う様子やテンションの時」には注意が必要となります。

癲癇発作の予防薬

癲癇発作を予防するには抗てんかん薬の使用が一般的で、癲癇を持つ自閉症の子供がよく利用している抗てんかん薬には「エクセグラン」「ランドセン」「ダイアップ」「デパケン」「セレニカ」「テグレトール」「ラミクタール」「イーケプラ」等があります。

癲癇発作とヘッドギア

脱力発作や間代発作で倒れこんでしまう症状を持つ場合には、転倒時に頭を保護するヘッドギアをつけ必要が有ります。

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