対人希求性とは
対人希求性とは
対人希求性とは、他人に対して興味を持ったり様々な関係を持ちたいと思う要望や希望です。
対人希求性の希望には「対人関係を持ちたい」「親密になりたい」「自分に興味を持ってもらいたい」「甘えたい」「もっと注目してもらいたい」などが有ります。
この際の対人とは両親や兄弟などの家族や、友達、学校の先生など身の回りの人や、何かの行動などを起こしたいと思ったときに近くにいた人などが該当します。
自閉症や発達障害の対人希求性
自閉症は主な特徴の一つとして、対人関係の構築を不得意としており、他の人に関わったりするのが苦手とされています。周りの様子や他人への興味も無く無関心な傾向にあるのも特徴です。
また、「自閉」という言葉には「他人や外の世界からの接触を拒否し、自分だけの世界に閉じこもる」と言う意味もあります。
しかし、自閉症などの発達障害の人の中にも他人への興味を持っている場合、成長に伴い周囲の人への興味が出る場合、一見他人への興味がなさそうに見えても表現できないだけで他人と係わりたいと思っている場合も見られます。
自閉症や発達障害の中にはこの他人とのコミュニケーションを築けたり、他人と関係を持つことが好きという特徴を持っている人も稀に居る事があります。
対人希求性があるだけですと他人との係わりを持ち、上手に周囲との関係を構築する事もできます。
しかし、対人希求性が高すぎると別の問題も発生することが有ります。
対人希求性が高すぎると
対人希求性が高すぎると、他人に対して求めている事の希望が大きくなってしまい、求めていたことが満たされないと、不満や不安、見捨てられたという気持ちが大きくなってしまい気持ちが不安定になってしまいます。
例えば他人に何かを求めても「(今は時間が無いから)後でね。」「(難しすぎて・物理的に)これは無理だね。」など何らかの理由で断られた場合にも、断られた理由がわからず、対人関係を拒否・見放されたと思い込みパニックになってしまう事も有ります。
また、自分に意識や注意を引きたいがために、「怒られるような悪いことをする」「駄々をこねる」「大きな声を出す」「物を壊す」「他人に暴力を振るう」などの行動を取ってしまう事も有ります。
なお、対人希求性が高すぎてしまい精神的に不安定になってしまうことは自閉症や発達障害意外にも、「境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)」でも見られることが有ります。
対人希求性への対応
自閉症も発達障害も対人関係の獲得や友好的な関係の維持が困難という特徴があるため、対人希求性に対する処置や対応は難しくなります。
対人関係を取ろうとしたり気にする様子が見られる場合には、周囲の大人が正しい対人関係を結べるように手助けすることが重要になると思います。