クラインフェルター症候群とは
クラインフェルター症候群とは
クラインフェルター症候群(Klinefelter’s syndrome)とは男性の性別を確定させる染色体である性染色体にX染色体が1つ以上多いために発生する症候群です。
1942年に医師のハリー・クラインフェルターにより紹介されたため、クラインフェルター症候群と名づけられました。
クラインフェルター症候群は男性の染色体が多いことで発生する染色体異常のため、患者は全て医学的に男性となっています。
クラインフェルター症候群の原因
クラインフェルター症候群とは、通常の男性の性染色体が「XY」であるのに対し、X染色体が1つ以上多い「XXY」や「XXXY」となっている先天性の遺伝子疾患です。
通常、卵子と精子の細胞は減数分裂と呼ばれる2回の細胞分裂の際に、X卵子とX精子もしくはY精子となり、それらが受精することでXX染色体を持つ女性かXY染色体を持つ男性へとなります。
しかし、減数分裂の際に何らかの原因で正常に分裂が出来ずXX卵子やXY精子となってしまい、それらの細胞が受精することでXXYやXXXのクラインフェルター症候群特有の性染色体となってしまいます。
また減数分裂は2回あるため、両方の分裂が正しく行われない場合はXXX卵子やXXXX卵子が発生し受精をすることで、「XXXY」「XXXXY」「XXXXX」などの性染色体を持つクラインフェルター症候群となる事が有ります。
クラインフェルター症候群の発生割合と人数
クラインフェルター症候群の発生割合は1000人から2000人に1人の割合とされています。
クラインフェルター症候群の人数は難病医学研究財団難病情報センターによると、日本国内で約62000人とされています。
クラインフェルター症候群の特徴
身体的特徴
- 手足が長く見える
- 乳房が発達する場合がある
- 体毛が薄い
- 陰毛や腋毛は薄かったり生えない
- 声変わりをしない
- 男性器の発達が未熟
第二次性徴頃から胴体の成長が止まりますが、手足は成長するため手足が長く見え華奢でひょろっとした外見である特徴が有ります。しかし食生活などで肥満になったりする事も有ります。
一般男性に比べ男性ホルモンが少ないため、「乳房の発達」「薄い体毛」「声変わりが無く比較的高い声」などの女性のような特徴が現れることが有ります。
生殖機能としては男性器の外性器と内性器は通常である事もありますが、男性性腺の発達が未熟なため精液が薄く不妊になりやすい事も有ります。
また持っている染色体の種類により「XX」「XY」「X」「Y」の性染色体を持つ精子を形成します。
中年以降になると男性ホルモンの不足から更年期障害になる場合があり、成長に伴いテストステロン等の男性ホルモンの注射などを行う場合も有ります。
疾病などでは、糖尿病、気管支疾患、静脈瘤、甲状腺機能低下症、乳癌などになる場合も多く見られます。
知的や精神的特長
知的に遅れを持つ場合もあり、「認知や言語の遅れ」「感情のコントロールが難しく怒りやすい」「コミュニケーションなどが苦手」「口数が少ない」などの特徴を持つ場合も有ります。