アペール症候群とは

   2015/09/13

アペール症候群とは

アペール症候群(アペルト、エイパー :Apert syndrome)とは、10番染色体における5つのFGFR2遺伝子の異常を原因とする遺伝子疾患で、狭頭症(頭蓋骨縫合早期癒合症)の一種です。

アペール症候群の原因

10番染色体にあるFGFR2遺伝子(fibroblast growth factor receptor 2)の異常を原因とする先天性の遺伝子疾患です。
アペール症候群の場合FGFR2遺伝子のSer252TrpまたはPro253Argの変異が高確率で見られます。

また、父親の年齢が高齢の際に出来た子供が、アペール症候群となる確率が高くなる事も知られています。

アペール症候群の発生率

小児慢性特定疾病情報センターによるとアペール症候群の発生率は、出生55000人あたりに1人程度とされています。

患者数は頭蓋骨縫合早期癒合症(アペール症候群、クルーゾン症候群、ファイファー症候群、アントレー・ビクスラー症候群を含む)全て含めて、日本国内で1000人前後とされています。

アペール症候群の特徴

狭頭症(頭蓋骨縫合早期癒合症)

アペール症候群の特徴の大きな特徴には狭頭症(頭蓋骨縫合早期癒合症)が有ります。

頭蓋骨は成長に伴って複数の骨が癒合して頭蓋骨となりますが、狭頭症の場合だと通常よりも早く骨が融合してしまいます。
その為、脳の正常な発達が妨げられ精神発達障害や知的障害となったり、頭蓋骨や顔を構成する骨に異常が生じ眼球が飛び出したり、高口蓋や口蓋裂となる事があります。

頭蓋骨の早期融合にともなうもの異常には、「脳の発達障害」「眼球突出」「両目の離間」「気道狭窄」「高口蓋」「口蓋裂」「歯の異常」などで、場合によっては「水頭症」の症状が出る事も有ります。

重度の狭頭症(頭蓋骨縫合早期癒合症)の治療方法には頭蓋骨の正常な形へ強制する外科手術が効果的です。

合指症

合指症とは手の複数の指がくっ付いてしまっている症状で、アペール症候群の場合には親指から小指までの5本が繋がっている場合と、人差し指から小指までの4本が繋がっている場合の2種類がほとんどです。

合趾症

合趾症とは足の複数の指がくっ付いてしまっている症状で、アペール症候群の場合には5本の指がくっ付いている場合がほとんどです。
なお、合指症と合趾症は指の皮が繋がっている場合と、指の骨から繋がっている場合の2種類が有ります。

その他の特徴

その他の特徴として、「気道閉塞」「後鼻孔狭窄」「外耳道狭窄」「難聴」「関節の形成不全」「ファロー四徴症(肺動脈狭窄・漏斗部狭窄、心室中隔欠損、右心室肥大、大動脈騎乗)」「各種心疾患」「キアリ奇形(小脳や脳幹の一部が、頭蓋骨から脊椎に落ち込んだ状態)」などが有ります。

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