知的障害とは

   2016/01/31

知的障害とは

知的障害とは「知的な機能において制約があること」「行動や日常生活などに制約を伴うこと」「発達期(おおむね18歳未満)に生じること」を特徴とする知的機能において障害のある状態を指します。

「認知症」「事故のや怪我の後遺症によるもの」「脳症」などによる、発達期以降の知能の低下は知的障害には含まれません。

なお、医学用語上は「精神遅滞」、学校教育法上では「知的障害」と呼ばれています。

知的障害の定義

知的障害の定義は存在していませんが、福祉政策を行う自治体においては「18歳未満の発達期に遅滞が生じること」「客観的に遅滞が明らかであること」「遅滞により適応行動が困難であること」を条件としている事が多く、一般的には日常生活や学校生活を送るうえでの知的行動に問題がある場合を知的障害としています。

知的障害者の人数

内閣府の資料(平成25年度版障害者白書)によると、日本の知的障害者の人数は54.7万人となっています。この数は1000人に4人が知的障害の認定を受けていることになります。
なお、知能指数の分布から予測される日本の知能指数70以下の知的障害者の数は284万人と考えられ、多くの人が知的障害の認定を受けていないことになります。

知的障害者の内訳は18歳未満が12.5万人、18歳以上が41.0万人、年齢不詳または不明な人が1.2万人となっています。

知的障害の知的水準

標準化された知能検査(田中ビネー式、WISC式、K-ABC)において、知能指数(IQ)が70から75以下を知的障害と判断することも有ります。
なお、知的に問題の無い成人の場合知能指数はおおよそ100前後となります。

知的障害には知能指数によりおおよそ以下の分類できます。


境界域(ボーダー)

知能指数が70から85程度で、一般の健常者より知能指数は低いものの日常生活にはほとんど支障を来たさないレベルです。このため知的障害者とは認定されません。

しかし、知的障害と認定されないため公的な支援が受けにくく、周りの理解を得る事も難しいため、社会生活の中で孤立や問題を抱えてしまう場合も多く見られます。

軽度知的障害

知能指数は50から69程度で、統計上の知的障害者の8割近くは軽度知的障害とされます。
しかし、本人や周囲の人が知的障害であると気づかない事も多くあり、実際に障害者手帳や療育手帳の交付を受けていない場合も見られます。

子供の際には問題にならず、成人してから社会や周囲の係わりなどから発覚し、知的障害であると診断される事も有ります。

成人の軽度知的障害者の中には障害者雇用や公的な支援を受けるために、精神障害者保健福祉手帳の交付を受ける人もいます。

中度知的障害

知能指数は35から49程度で、知的な能力は小学校低学年程度となります。
中度の知的障害になると、知的以外にも情緒・疾病・身体の動きのぎこちなさなど、合併症が見られ始めます。

重度知的障害

知能指数は20から34程度で、知的な能力は4歳程度とされています。
様々な行動において問題が発生することが多く、介助が必要となる事も多々見られます。
また、知的障害以外にも、身体障害や疾病などの合併症が見られることが有ります。

最重度知的障害

知能指数が20以下とされ、知的な能力は3歳児以下とされています。
日常生活や行動においてはほぼ介助が必要となり、意思の疎通も非常に困難な場合が殆どです。
また、最重度知的障害になると知的障害以外にも、重い身体障害や疾病などの合併症を抱えている事が非常に多くなります。

知的障害の発覚

知的障害は乳幼児期の言葉の遅れ、3歳児検診、小学校入学時に授業に付いていけないなどで発覚することがよく見られます。

近年では学業を卒業し社会に出てから、仕事や周囲への係わりなどから問題が発生し、診断を受けることで知的障害と発覚する場合も多くなってきています。

知的障害の公的支援

知的障害がある場合には18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所により判定が行われ、知的レベルの判定後に自治体から療育手帳(自治体により「緑の手帳」「愛の手帳」「愛護手帳」などとも)と呼ばれる手帳の交付を受ける事ができます。

手帳の交付を受けると「特別支援教育」の実施、自治体からの相談・指導、各種援助、税金等の控除、交通機関の割引などを利用することができます。

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