レノックス・ガストー症候群とは

 

レノックス・ガストー症候群とは

レノックス・ガストー症候群(Lennox-Gastaut Syndrome)とは、小児期に発生する難治性癲癇を主な症状とするてんかん症候群です。
アメリカの神経学者ウィリアム・G・レノックス(William G. Lennox)と、フランスの学者アンリ・ガストー(Henri Gastaut)の名前に因んで命名されました。

大田原症候群ドラベ症候群ウエスト症候群などと共に、乳幼児破局てんかんの一つに数えられています。

レノックス・ガストー症候群の原因

レノックス・ガストー症候群の原因には、遺伝子の異常、脳機能の障害、脳の形成異常、急性脳炎後遺症、頭部への外傷、低酸素脳症、髄膜脳炎、代謝疾患など様々に及びます。

レノックス・ガストー症候群は原因が特定または推定されている場合「症候性レノックス・ガストー症候群」に分類され、原因が特定されていない場合には「潜因性レノックス・ガストー症候群」または「無症候性レノックス・ガストー症候群」に分類されます。

レノックス・ガストー症候群の患者数

小児慢性特定疾病情報センターによるとレノックス・ガストー症候群の患者数は、60歳未満で約2500人、20歳未満で約650人としています。
難病医学研究財団難病情報センターでは患者数を約4,300人としています。

フィンランドでは年間発生率が0.002%、アメリカでは全ての子供のうち0.026%で発生し小児癲癇のうち4%がレノックス・ガストー症候群としています。

性別では女子よりも男子の方が多い傾向に有ります。

レノックス・ガストー症候群の特徴

レノックス・ガストー症候群の主な特徴には「難治性の複数の癲癇発作」「特徴的な脳波」「知的障害や失調症状や睡眠障害の合併」などが有ります。

発症は小児期の8歳未満で、10歳以降の発症は極めてまれとなっています。
主に3歳から5歳の間の発症またはウエスト症候群からの変容が多いとされています。


難治性の癲癇発作

レノックス・ガストー症候群の発作には「強直発作(突然意識を失い、手足を伸ばした状態で全身が硬くなる発作)」「非定型欠神発作(数秒から数十秒にかけて意識をなくしてぼんやりとする発作)」「脱力発作(全身の筋肉の緊張が低下して崩れるように倒れる発作)」などが見られます。そのうち2つ以上の発作が見られるとレノックス・ガストー症候群と診断することが一般的なようです。

症状としては少ないものの「ミオクロニー発作(手や足など身体の一部の筋肉が一瞬ピクッと収縮する発作)」「全身性強直間代発作(強直発作と手足がガクガクと痙攣する発作の組み合わせ)」「部分発作(顔・手・足など身体の一部のみに発生する発作)」が見られる事も有ります。

癲癇発作の中でも睡眠時の強直発作は最も代表的な特徴で、ほぼ毎日発生するとされています。強直発作は何度も反復したり、強直発作と脱力発作・間代発作を交互に繰り返す重積発作となる場合も有ります。

特徴的な脳波

特徴的な脳波には睡眠時に見られる速律動と呼ばれる早い動き、覚醒時に見られる波長が3Hzより遅い広汎性緩徐性棘徐波(全般性遅棘徐波複合)と呼ばれる特異的な脳波が見られます。

知的障害や失調症状や睡眠障害の合併

レノックス・ガストー症候群は小児期の脳の成長が著しい時期に癲癇発作が多発することで、脳の成長が阻害され精神の発達、運動機能の発達が妨げられます。

レノックス・ガストー症候群のほぼ100%に精神運動発達遅滞が見られ、知的障害や運動機能障害となります。知的障害となった場合は重度となる事がほとんどです。
知的障害となる率は90%以上にのぼると報告されています。

また、ほぼ毎日の睡眠時に癲癇発作が発生することから十分な睡眠がとれなかったり、脳が休まらないため、睡眠障害を引き起こす事が有ります。
まれに失調症状が見られる事も有ります。

レノックス・ガストー症候群の治療方法

レノックス・ガストー症候群は難治性であり、複数の癲癇発作が発生することから一つの薬品で安定させるのは難しく、複数の薬品を使用して治療を行います。

脳腫瘍や脳の奇形などが原因の場合には脳の外科手術を行う場合や、脳梁と呼ばれる左右の脳を繋ぐ束の切断手術を行う事も有ります。

治療を行っても完全に発作が無くなる事は少なく、成人後の痙攣発作の完全抑制は5%程度、60%前後で脳波の変化や発作頻度が減少し、30%前後は脳波や発作の頻度は変化が見られないと報告されています。

レノックス・ガストー症候群の症状が消え、症候性てんかんや部分てんかんなど他の癲癇の症状に移行する事も有ります。

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