大田原症候群とは

 

大田原症候群とは

大田原症候群とは新生児期間から乳児期に発症する重度の癲癇性脳症です
ウエスト症候群ドラベ症候群レノックス・ガストー症候群などと共に、乳幼児破局てんかんの一つに数えられています。

「早期乳児てんかん性脳症」「サプレッション・バーストを伴う早期乳児てんかん性脳症」「early infantile epileptic encephalopathy with suppression burst:EIEE」などと呼ばれる事も有ります。

大田原症候群の原因

大田原症候群の確実な原因は今現在特定されていませんが、局在性皮質形成異常、脳の形成異常などが原因の一つとも考えられています。

また遺伝子の異常が見られる場合もあり、関連が指摘されている遺伝子にはARX遺伝子、STXBP1遺伝子、CASK遺伝子、KCNQ2遺伝子が有ります。

大田原症候群の患者数

大田原症候群の患者数はごく少なく、発生率は10万人に1人以下で、小児癲癇患者の0.5%から1%程度が大田原症候群であるとされています。
難病医学研究財団難病情報センターでは日本全体で患者数を約100人としています。

大田原症候群の症状

出生直後から生後3ヶ月以内にてんかん性スパスム(癲癇による筋肉の痙攣)が発生します。乳幼児に発生する年齢依存型のてんかん性脳症では最も低年齢に現れるものとなります。

発作は手足や頭部がピクッと短く動くものや全身の硬直発作が多いですが、場合によっては数秒から数十秒繰り返すことがあり、呼吸が止まってしまいチアノーゼが出る事も有ります。発作は睡眠時・覚醒時ともに発生します。

脳波ではサプレッション・バーストパターンと呼ばれる波長が現れるのが特徴です。サプレッション・バーストとは、サプレッションと呼ばれる振幅の小さい波と、バーストと呼ばれる振幅の大きい波が交互に発生するものを指します。そのため大田原症候群は「サプレッション・バーストを伴う早期乳児てんかん性脳症」と呼ばれる事も有ります。

生後直後から多くの発作が起こるため、脳の成長が阻害され発達遅延や精神遅滞、また運動能力の失調や、筋力低下などの運動障害も見られるようになります。

成長に伴い、乳児期にはウェスト症候群、幼児期にはレノックス・ガストー症候群、他のてんかんへと移行します。

大田原症候群の治療方法

大田原症候群は非常に難治で、薬品による治療が行われます。
脳の異常が原因である場合には脳の手術などが行われる事も有ります。
生活においては規則正しい服薬と、発作の症状の観察が必要となります。

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