自閉症や発達障害は視線や目が合わない

 

自閉症や発達障害は視線や目が合わない

自閉症の特徴として良く耳にするものに「自閉症の子は視線や目が合わない」と言うのが有ります。特に赤ちゃんや年齢の低い子供の場合、自閉症の判断材料になる事も多いようです。

ただ、小さい子供は視力が発達していなかったり、物や顔の認識能力も低い為、年齢の低い子供ほど目が合うことが難しいという事も有り、視線の合わない子供が必ずしも目が合わないという事は有りません。もちろん、視線が合う自閉症の子供も多く居ます。

自閉症の子供でも視線が合う子、全く合わない子、場合によっては合う子など様々です。自閉傾向や知的能力にもあまり差は見られず、会話が出来なくても呼びかければ目線があう子供もいますし、会話や勉強が出来ても目線を合わせるのがとても苦手という子供も多く見られます。
中には写真をとる際もカメラやケータイのほうに視線を向けるのが難しい子供もいます。

目線を合わせる行為

人は目線が合うと様々な気持ちになったり、色々なことを事を感じると思います。
好きな人と目線が合うと『嬉しい』『恥ずかしい』『安心』などと感じるでしょう。逆に嫌いな人や苦手な人と目線が合うと『ムカッとする』『怖い』など感じると思います。

会話中に目線が合うと『しっかり話を聞いている』と判断できますし、知らない人と何度も目線があると『なんだこいつ』『見られている』と感じ、異性と何度も目が合うと『恥ずかしい』『気まずくなる』『私に気があるのかな?』など、場所や場面によっても目線を合わせることで様々な意味や感じ方が有ると思います。

アイコンタクトという言葉が有るように、目線を合わせることは感情の表現やコミュニケーションの一つでも有るのです。

自閉症のの子供が目線が合わない理由

では自閉症や発達障害の子供はなぜ目線を合わせることが出来なかったり、目線をそらしてしまうのでしょうか?
様々な理由を調べてまとめてみました。


人と目線を合わせるのが苦手

これは単純に人と目線を合わせるのが苦手であるという理由からです。
健常な社会人でもコミュニケーションを取るのが苦手であったり、緊張しやすい人は目を合わせるのが出来ない場合があります。

サザンオールスターズの歌『TUNAMI』でも「見つ合うと素直にお喋りできない」という歌詞もあるように、一般的にみても緊張してしまう場合などは目線を合わせてコミュニケーションを取るのが難しいと思います。

この記事を書いている私自身も、仕事などで話したり子供の保護者と会話するときは緊張して目線を合わせるのが難しかったり、つい目線を外してしまう事が多く有ります。

目線を合わせるのが怖い

動物は本能として目線を合わせることに恐怖を感じます。視線を合わせることは「威嚇」敵対」「攻撃」のサインあるとされ、「野生のサルには目を合わせるな」「熊と視線が合ったら目を離さずあとずさりしろ」などと聞く事も有ります。

人間も動物なので、強面の人や苦手な人と視線が合うと本能的に恐怖を感じる事も有ると思います。人間が目線を合わせることで感じる恐怖には「敵対」以外にも、「自分の気持ちを読み取られそう」と感じる事も有ると思います。

また、自分から人の目を見るのは平気でも、相手から見られるのは怖いという場合も有ります。この場合はこちらから目線を合わせると、スッと目線を外してしまいます。相手から見られるのが怖いという人は「自分の心を読まれそう」「自分を見透かされてしまいそう」と感じている人に多いようです。

自閉症の子供も同様に人と視線が合う事に恐怖を感じていると思います。特に自閉症だとコミュニケーションや社会性の関係に困難があることから、目を合わせても安心できる人が少なかったり、安心できる人や目を合わせても良い人の判断が難しいのだと思います。

コミュニケーション能力の困難

自閉症や発達障害の人の大きな特徴に「コミュニケーション能力の困難」と言うものが有ります。これは言葉などでコミュニケーションを取る事が難しかったり、相手の表情から気持ちや感情を読み取るのが困難だという事があります。

そのため、目線を合わせることで多くの、情報をやり取りすることが理解できないというものが有ります。

また、コミュニケーションを取る際には視線を合わせるという基本的なルールを理解できておらず、「話は聞いてるからいいや」という感じで、話している人を見ないという事も有ります。

会話や呼びかけの意味が分かっていない

根本的に自分に呼びかけられている言葉や意味が分からないと、目線も合わせることはありません。また、自分に呼びかけられている言葉の意味や目的が分からない場合には、恐怖を感じて目線を合わせなかったり、嫌なことから逃げるように目線をそらしてしまうという事も有ります。

気持ちが向かない

話しかけられたりしていても、本人の気持ちがその言葉に向かっていない場合には視線を合わせることは無いでしょう。好きなことに集中している場合や、楽しいことを行っている場合には他人の呼びかけにも反応しないことが多いと思います。

逆にこのパターンの場合は本人の気持ちが向いているときや、自分から何かを要求するときなどはしっかりと目線があう事が多いと思います。

目を合わせる必要が無い

そもそも自閉症の人達は目を合わせることの意味を理解していないため、目を合わせること自体に意味を感じていない場合が有ります。

目を合わせていい人か分からない

人は目を合わせることに本能的に恐怖を感じています。健常の人なら目を合わせても大丈夫な人やタイミングなどは理解できると思います。

しかし、人の感情や場の雰囲気の理解をするのが難しい自閉症や発達障害の人は、誰なら目を合わせても大丈夫なのか、どのタイミングなら相手の目を見ても良いのかわからず、目を合わせないという事も有ります。

私たちでの不機嫌な強面人が居る場合、怖くて無意味に目線を合わせることは無いと思います。自閉症や発達障害の人達からすると、周囲の人は全てこのような強面の人に見えているかも知れません。

斜視や眼の病気である

斜視や眼の病気であったり、眼の周りの筋肉が弱い場合など、正常に物を見るのが難しく視線を合わせるのが出来ない事も有ります。また、自閉症の子に良く見られる、横目で物を見ている場合も視線が合わない事が有ります。

関連ページ
自閉症と斜視・横目 | 発達障害-自閉症.net

まとめ

子供が目線を合わせることが出来ない理由は様々ですが、何が原因なのかを特定して対処していく必要が有ります。小さいうちは目を合わせることが難しくても、成長していく中で目を合わせる必要性を理解したり、療育を行う中で人と目を合わせてコミュニケーションが出来るようにもなります。

人と視線を合わせることは人と人とがコミュニケーションを取るうえで必要な行動の1つになります。本人が社会に出た際に円滑な人間関係を育む為に、人と目を合わせる事を少しずつ意識させる必要が有ります。

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