ミラー・ディッカー症候群とは
ミラー・ディッカー症候群とは
ミラー・ディッカー症候群(Miller-Dieker Syndrome)とは17番染色体の異常を原因とする先天性の遺伝子疾患で、滑脳症という脳に皺が作られない症状が特徴となります。
ミラー・ディッカー症候群の原因
ミラー・ディッカー症候群の主な原因は17番染色体の短腕欠失が主な原因となっています。
ミラー・ディッカー症候群の原因となる遺伝子には、LIS1、YWHAE、DCX、RELN、VLDLR、ARX等の遺伝子があり、17番染色体の一部が失われることで、それぞれの遺伝子が存在しなかったり、遺伝子に異常が生じることでミラー・ディッカー症候群となります。
ミラー・ディッカー症候群の半数以上はLIS1遺伝子とDCX遺伝子の異常によるものとされています。
ミラー・ディッカー症候群の発生割合
ミラー・ディッカー症候群の発生割合は小児慢性特定疾病情報センターによると約10万人に1.18人の割合で発生しているとされています。
しかし、MRI普及以前の調査であるため、今現在の正確な発生割合は不明となっています。
ミラー・ディッカー症候群の特徴
滑脳症
ミラー・ディッカー症候群の大きな特徴として滑脳症(かつのうしょう)という疾患を持っています。
滑脳症とは脳の表面に脳回(脳の表面にあるしわしわの部分)がなく平らなままの状態を指します。
脳は成長にともない表面の脳回が増えていきますが、滑脳症になると神経細胞の移動が不完全となり成長が滞ってしまい、通常なら6層あるはずの脳が4層で成長を止めてしまいます。
そのため、脳は胎生15週程度の状態で発育が止まった状態となってしまいます。
知的障害や身体障害
ミラー・ディッカー症候群は滑脳症を持っているため、重度の精神発達遅滞や知的障害の症状が見られ、身体障害を抱えている場合がほとんどです。
顔の特徴
ミラー・ディッカー症候群の場合には「小さい頭」「広い額」「側頭部の凹みや陥没」「小さい鼻」「上向きの鼻孔」「小さなあご」「四角い頭」などの特徴を持ちます。
その他の特徴
そのたの特徴としては「点頭てんかんなどの癲癇発作」「脳性麻痺」「内臓奇形」「先天性の内臓疾患」などを持つ場合が有ります。