自閉症は同じ質問を繰り返す – 自閉症と発達障害の特徴・特性
同じ質問を繰り返す
自閉症などの発達障害の子供は、同じ質問を何度も繰り返して聞くことがあります。
様子を見ていると同じ質問を繰り返す際には、質問の答えが分からないわけではなく、分かっている様子でも何度も聞きなおしている様に見られるときもあります。
ではなぜ同じ質問を何度も繰り返すのでしょうか?
同じ質問を繰り返す理由
同じ質問を何度も繰り返す理由にはこれらの事が考えられます。
- 聞いた事をすぐに忘れてしまう
- 単純に疑問としての質問
- 質問を通しての言葉遊び
- 不安を解消するため
- 人の興味を引きたい
聞いた事をすぐに忘れてしまう
発達障害や自閉症の場合は記憶が時間に沿った線ではなく、その時々の点で記憶している場合があります。
そのため、今さっき質問した事を忘れてしまい、同じ質問を何度もしてしまうことがあります。
単純な疑問としての質問
単純に疑問からの質問の際は、気になったことを場面やタイミングを考えずに質問をしてしまいます。
その場合には疑問に答えるかたちで、しっかりと納得できるような回答をしてあげるのが効果的です。
疑問の場合はしばらく納得できるまで何度か質問を繰り返すことがありますが、その場合には「○○ってなんだっけ?」と聞き返すことで、本人の口から質問の答えが出るように促すと、そのうちに自分の知識として自信が付き質問をしなくなる傾向が見られます。
質問を通しての言葉遊び
質問を通しての言葉遊びには自分の話す質問に対して反応や返事がもらえる事と、自分の思い通りの決まった答えが返ってくることで楽しんでいる場合があります。
自閉症の子供の場合は言葉を出すことや様々な単語や文章を用いて会話をすることが難しい場合があります。
その際に、自分が話しやすい言葉や話せる言葉、使いやすい文法を用いて会話します。
その一つが質問のやり取りの場合に、このような質問を通しての言葉遊びや会話となる場合があり何度も繰り返すことがあります。
不安を解消するため
不安を解消するための場合に自分が思っている不安なことに対して、否定の答えが返ってくることで安心を求める場合があります。
この場合の質問には「歯医者に行かないよ?」「雷来ないよ?」など不安に思っていることが多く、それに対して「歯医者には行かないよ」「雷は来ないよ」と否定の回答を貰うことで安心を得ています。
不安を解消したい場合の質問をする場合には表情や仕草から、怯えている様子が受け取れると思います。
その際には不安になっていることを察してあげ、安心させることが必要となります。
人の興味を引きたい
親や好きな人の興味を引きたい場合にも、同じ質問を何度もしたり、突拍子も無いことを聞いたりすることがあります。
この場合は質問に対する回答以外にも、相手がうんざりしている様子や相手が怒る様子を見て楽しんでいる場合も見られます。
まとめ
同じ質問を繰り返す場合には様々な理由が考えられます。
その場面場面で表情や仕草、前後の行動の関係などからなぜ同じ質問ばかりを繰り返すのかを見極めてそれに応じた対処をすることが重要です。
同じ質問を何度もしつこくされてしまう場合には「質問はあと3回でおしまいだよ」「今は用事があって答えられないよ」など分かりやすい理由で簡潔に断ると効果的です。
全く意味の分からない質問をしてくる場合にははっきりと「質問がわからないよ」と断る必要もあります。
ちなみに、以前面白がって同じ質問を何度もする子供に「なんで同じ質問ばかりするの?」と聞いた事があります。
最初は予期していた回答と違い怒られると思ったのか「ごめんなさい」と謝ってしまいましたが、落ち着かせてから「なんで同じ質問ばかりするの?」と再度聞くと「面白いです」と答えてくれたことがあります。
この子の場合は質問に対する回答のやり取りが面白かったから、何度も質問をしていたのだと分かりました。
このように会話の出来る子の場合は「なぜ同じ質問ばかりするのか」を言葉で確認してあげるのも良い方法だと思います。