自閉症スペクトラムや発達障害と独り言

 

自閉症スペクトラムや発達障害と独り言

自閉症や発達障害者は独り言を喋ったり、奇声のような声を一人で上げているイメージを持たれがちです。

店内や街中や電車の車内などで大きな声を出したり、何かをぶつぶつ話している障害者の方を私もよく見かけます。
実際に私が接してきた自閉症や発達障害および知的障害の人達も全員ではないですが、独り言をいっている特徴を持つ人が多くいました。

ではなぜ、自閉症などの発達障害の人は独り言を話すことが多いのでしょうか。色々と調べてまとめてみました。

独り言とは

独り言とは会話の相手がいるわけでもなく、一人で発声したり言葉を喋る行為です。独り言は通常の人も話しますが、「自閉症」「認知症」「統合失調症」「強迫性障害」などの人に多く見られる行動の一つでも有ります。

独り言は悪いことではありませんが、公共の場などで何度も独り言を話していたり、大きな声で喋っていると周囲から「変な人だな~」というような目で見られる事が有ります。

私の独り言

まず自閉症や発達障害の人の独り言の前に、筆者である私の独り言事情から。
私も気が付くと独り言を口にしている事が多く有ります。私はどのような理由で独り言をするのか考えてみると、大まかですが次のものに分類されます。


物事の整理や確認しているとき

行動の流れの確認をするときや重要な作業をしているとき、物事のチェックやミスが無いかを確認するときに、独り言でぶつぶつ言うことが有ります。
例えば「今日は~朝の会議から報告書作って~午後は現場~」と一日の仕事の流れを確認したり、「送り先は、何々さん」など宅配便やメールの送り先を確認するときなどです。

気分や感情が高まったとき

気分や感情が高まったときに、ついその時の気持ちを口にしてしまうことが有ります。この場合は急に仕事を振られたときに「面倒~」「だるい~」とかだったり、イライラしたときなどに「ふざけんなよー」など言ったり、良い事があると「ヨシッ!」と言ってしまったりです。

何かを急に思い出したとき

忘れていた重要なことを思い出したときに「あっ」と言ったり、「○○しなければならないんだ!」と思い出したことを口にする事が有ります。
これはとっさに思い出したことを反射的に口にしてしまう独り言になります。

耳慣れた言葉やフレーズを口にする

意識しているわけではないですが、突発的にや気分がリラックスしているときについ耳慣れた言葉やフレーズを口にしてしまうことが有ります。よく出る言葉はCMで耳にしたフレーズや、ドラマやアニメの台詞、それと知り合いや親しい人の口癖などです。

これは、お風呂に入ってリラックスしているときに、つい鼻歌を歌ってしまうような感じで言葉がでてしまいます。

自閉症や発達障害者の独り言

本題の自閉症や発達障害の人の独り言ですが、これにも様々な意味が有ると考えられています。独り言を言ってしまう代表的な理由をまとめてみました。

頭の中で考えていることを口にしてしまう

普通の人は物事を考えるときは頭の中だけで考えます。しかし、自閉症や発達障害の人の場合、考えていることがそのまま口に出てしまうことが有ります。
この場合の独り言は比較的言葉も意味もハッキリしているので、周りで聞いていれば何を言っているのか理解する事も出来ます。

自分の意思とは別に声が出てしまう

本人の意思とは別に考えていたことが独り言として口に出てしまう事も有ります。
この場合の言葉はその場面に合わないような突拍子もない言葉や、聞き取れない奇声的な事も多いです。

自分の世界のことを話している

実際に接したことがある障害児でゲームやアニメが大好きな子がおり、この子は暇さえあればニコニコと楽しそうに独り言を喋っている子でした。

何を話しているのか聞いても教えてくれませんでしたが、独り言を喋っている時に近くで耳を済ませると、どうやら自分がゲームやアニメの主人公になってその中で活躍している様子を話していました。

このように自分の好きなことや、自分の世界で考えていることを独り言で話している事もあるようです。

気持ちの整理をしている

良い事が有って嬉しいときや、気分が落ち込んでしまったときなどに思っていることを言葉に出して気持ちを整理している場合も有ります。

嬉しいときは嬉しかった事を話したり、テンションが上がって意味の分からない言葉だったり、奇声に近いような言葉を出す事も有ります。

気分が落ち込んでしまったときには「怒られた・・・」「もうだめだ・・・」「何々を壊しちゃった・・・」などネガティブな言葉を話し気持ちを落ち着かせようとする事も有ります。

オウム返し

自閉症の人の特徴に話しかけられた言葉をそのまま繰り返して話してしまう「オウム返し(エコラリア)」というものが有ります。

これは「ご飯食べる?」と聞かれると即座に「ご飯食べる?」と返してしまう「即時エコラリア」と言うものと、以前聞いた言葉などを暫くしてから話す「遅延エコラリア」という2種類のものが有ります。

このうち遅延エコラリアは以前に聞いたアニメの台詞や、テレビのコマーシャル、家族の会話などを時間が立った後に話すことがあり、これが独り言と思われてしまう事も有ります。

アニメなどが好きな子供の場合、アニメの台詞を全部覚えて話している事も有ります。

関連ページ
言葉の鸚鵡返し(オウム返し)とエコラリア | 発達障害-自閉症.net

同じ言葉を繰り返してしまう

自閉症の人は同じ言葉を何度も繰り返してしまうという特徴が有ります。
これは「その言葉が心地よく感じる」「言葉に思い入れがある」「無意識に出てしまう」「言葉で人の反応を楽しみたい」などの理由からです。

詳細は以下のリンク先のページに細かい内容が記載してあるので是非見てみてください。

関連ページ
自閉症は同じ言葉を繰り返す – 自閉症と発達障害の特徴・特性 | 発達障害-自閉症.net
その言葉が心地よく感じる …

独り言のメリット

一見意味の無いような独り言で、出来れば止めさせたいと考えている保護者も多いようですが、独り言にもにもいくつかもメリットが有ります。

言葉の発達

独り言を話す発達障害の子供は、独り言を話さない子供より言葉の発達が良好の場合が多く見られます。独り言を話しているだけでも、呼吸や口や喉や使い方の練習になったり、単語や言葉での発語の練習にも繋がります。

物事の整理や確認

上部に記した私の独り言にも書きましたが、独り言をいいながら物事の整理や確認をしている事も有ります。

自閉症の子供だとその日のスケジュールを確認するかの様に何度もその日の流れを話したり、その日の給食やテレビ番組など自分の好きなこと何度も独り言で言う事も有ります。

独り言を止めさせる方法

独り言は周囲の人から見ると、意味が分からないしウルサイだけと感じるかも知れません。ですが、本人の中では意味が有る行動で、これを止められたりするとストレスが溜まったり、別の問題行動やこだわりに発展するかも知れません。

しかし、街中やお店など人の多い場所で意味の分からない独り言を言われたり、大きな声を出されたりすると周囲の人から好奇の目で見られたり、マナー違反になってしまいます。

独り言を止めさせる方法は難しいですが、独り言を言ってもいい場所と駄目な場所を教えたりすることは必要な指導になります。最初は独り言を止めるのは難しく、注意をされた時だけ止められるということが殆どですが、成長するにつれ独り言が少なくなったり、独り言を言うのを我慢できるようになります。

独り言を言っていい場所と駄目な場所を理解させる

公共の場では独り言は控える、自分の部屋では独り言を言っても良いなどのルールを作ると効果的です。最初は場所をわきまえるということは難しいですが、何度も指摘するうちに出来るようになる事も有ります。

公共の場などで周りの人の様子を見たり、その場に合った行動を取るというのは自閉症や発達障害者が苦手な事の一つです。そのため注意する場合には具体的に「皆がいる場所だから静かにしよう」「大きな声を出すと周りの人がうるさく感じるよ」など声をかけてあげると状況を理解しやすくなります。

声を小さくさせる

独り言の声が大きい場合には声を小さくするように促す事も必要です。声が大きいときにはその都度「声が大きいよ」と声かけをしたり、「シー」「お口チャック」などのジェスチャーや、声を小さくの合図を出して教えてあげる必要が有ります。

また、テレビのリモコンのように「ボリューム1だよ」などの越えかけも、音の大きさという意味で理解しやすい場合も有ります。

声かけやサインだけではなく、「静かに」の絵カードなども市販されているので、絵カードを使った方法が効果的な子供には絵カードやお約束カードを使うと効果的です。

大きい声を小さい声にさせるのも直ぐには治りませんが、何度も指導することで徐々に声のトーンを調整できるようになります。

静かにする時間を決める

時計や時間の概念が有る程度理解できる子供の場合は、時計やタイマーなどを利用し決まった時間の間は静かにするという練習方法も有ります。
最初は短い時間から行い、決まった時間静かにする事ができたらなんらかのご褒美などをあげ、徐々に我慢する時間を長くしていきます。

まとめ

自閉症の独り言にも様々な意味があり、頭の中の考えをまとめて整理をしたり、気持ちを落ち着かせるなど、生活するうえで必要な行動の一つになっている場合が有ります。

独り言自体を止めさせるのは難しいですが、成長し学習をすることで徐々に独り言の声の大きさや頻度を少なくすることが出来るようになります。しかし、無理に止めさせるとストレスを溜め込んで他の問題行動が出る事もあるので様子を見ながら徐々に指導を行っていく必要が有ります。

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