つま先立ちとつま先歩きをする – 自閉症と発達障害の特徴・特性

   2016/05/22

つま先立ちで歩く

自閉症などの発達障害の子供の特徴のひとつにつま先立ちで歩くというものがあります。
すべての発達障害の子供がつま先立ちで歩くというわけでは、比較的多い身体的な特徴にもなります。

つま先立ちで歩く癖が付いてしまうと、走った際に前傾姿勢となり不安定なため転びやすくなったり、足の筋肉が常に緊張したままとなり足に負担がかかってしまいます。
周りから見ていても歩きにくそうだったり、前のめりとなって危なそうに見えるときもあります。

では、なぜつま先立ちで歩くことが多くなるのでしょうか?

つま先立ちで歩く理由

発達障害の子供がつま先立ちで歩くのには大きく分けて4種類あると考えています。


常同行動として行っている場合

常同行動とは同じ行動や動作を何度も繰り返して行っている状態で、自閉症の大きな特徴のひとつとなっています。

自閉症の人は感覚の感じ方や心地よいと感じる動きが通常の人と違う場合があり、様々な動きから受ける外部刺激も健常者より少ないとされています。
そのため、つま先立ちで歩いたり走ったりする事が本人にとって心地よい動きであったり、気持ちの良い刺激や感覚であると感じている場合があります。

関節や筋肉が上手に動かせない場合

自閉症などの発達障害の子供は、関節や筋肉が未発達であったり発達が遅い事があります。
その場合に手足をスムーズに動かしたりするのが難しい場合があります。

特に膝の関節がスムーズに動かない場合は、歩く際に必要な膝の曲げ伸ばしが難しくなってしまいます。
そうなると普通に踵(かかと)を地面に着けて歩くよりも、つま先立ちで歩いたほうが楽になり慢性的につま先立ちで移動してしまうようになります。

足の膝や太もも付近に怪我をしたことが有る人なら分かると思いますが、足が痛い場合には踵が上がったつま先立ちの状態のびっこを引く歩き方が一番動きやすいと思います。

足の裏の感覚が過敏であるため

足の裏の感覚が過敏で有る場合、かかとを地面に付けるのを嫌がる事が有ります。
かかとの感覚が過敏であると、地面にかかとが付いた場合に不快や痛く感じたり、くすぐったいと感じている場合が有ります。

かかとが過敏の場合にはかかとを触ったり揉んだりすると、嫌がったり足を引っ込めてしまうはずです。

また、中にはつま先の感覚が過敏であるために、つま先を地面に付けるのを嫌がる子供もいます。つま先を地面に付けたがらない場合はつま先立ちとは逆に、かかとに重心をかけて、つま先をあげて歩いたり走ったりします。

発達障害とは別の理由の場合

つま先立ちになる理由として先天性内反足、尖足、アキレス腱の萎縮、麻痺、脊髄異常などの他の病気による場合も有ります。
この場合には医者や療育センターへ行った際に、相談や診断を受けると原因が特定できると思います。

つま先立ちの対処法

常同行動として行っている場合

常同行動として行っている場合には、つま先立ちになっている場合に踵をつけるように声をかけたり、つま先立ちの代用となる感覚や刺激を与えたりする必要があります。

関節や筋肉が上手に動かせない場合

関節や筋肉が上手に動かせない場合には医師の診断を受け、作業療法士・理学療法士などの専門家により関節や筋肉のマッサージとトレーニングを行う必要があります。
年齢が幼いうちにつま先立ちを行っているのに気づいた場合には、療育機関などでの歩行訓練でつま先立ちを軽減させたり直すことができる場合もあります。
年齢が小さいうちだと最初はつま先立ちでも、体の成長と共に筋肉や関節も安定し、自然とつま先立ちがなくなる場合もあります。

また、足の踵を地面に着けやすくする保装具や、靴の中に入れて歩行を安定させる中敷の利用も効果的です。

足場が不安定な場合にはしっかりと両足を地面に着けることができる場合もあるので、ランニングマシンやマットの上を歩かせたり、アスレチックなどの遊具で遊ばせるのもつま先立ちの矯正と共に体感運動のトレーニングにもなるのでお勧めします。

足の裏の感覚が過敏である場合

足の裏の感覚が過敏で有る場合には、足の裏の感覚に慣れさせる必要が有ります。

足の裏の感覚のトレーニングとしては、足の裏を「触る」「揉む」「叩く」などマッサージ感覚で刺激を与えてあげると効果的です。

足を地面に付ける感覚の練習としては、畳や床に座らせて足を真っ直ぐ伸ばして足のうらを壁に当てる、足が付く高さの椅子に座らせて体重や付加をかけない程度に足を地面に付けるなどが有ります。

足の感覚が嫌でつま先を上げている場合、どんどんと足の筋肉が緊張して硬くなってしまい、余計に足を地面に付け難くなってしまいます。
足の筋肉が緊張したり硬くなっている場合には、脹脛(ふくらはぎ)や太もものマッサージやストレッチを行うのも効果的です。

なお、つま先立ちで歩く事を急に止めさせるのは難しく、無理に行うと歩き方が崩れたり癖がついてしまう場合があります。
医師や療法士など専門家の意見を聞きながら無理の無いように少しずつ軽減させていくのが良いでしょう。

まとめ

まずはつま先立ちとなっている原因をしっかりと確認することが重要です。

そして、原因を特定した後に正しい対処法を取ることで、つま先立ちを直したり軽減したりすることができます。

すでにつま先立ちの癖がついてしまっている場合には、保装具や靴の中敷の利用しての歩行の安定、緊張してしまっている筋肉のマッサージなどを行うと良いでしょう。

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