小児期崩壊性障害とは
小児期崩壊性障害とは
小児期崩壊性障害(childhood disintegrative disorder:CDD)とは、広汎性発達障害の一つで、ある程度の発達の後に知的・言語・社会性における機能の崩壊や喪失が起こる障害です。
「児童期崩壊性障害」「小児崩壊性障害」「ヘラー症候群(Heller’s syndrome)」とも呼ばれることが有ります。
小児期崩壊性障害の症状
小児期崩壊性障害は2年以上の正常な発達の後に、知的・言語・社会性・日常的な行動などの後退が始まり、後にそれぞれの行動の崩壊や消失に繋がっていきます。
発症するのは2歳から5歳程度の年齢に見られ、発症の直前には理由の不明な「イライラや怒り」「言うことを聞かない」「不安」などの状態になる様子が見られます。
後退が起こるものには以下の項目が有り、小児期崩壊性障害になると少なくとも2項目以上の能力の後退が見られます。
- 表出面または受容面の言語能力
- 対人関係や適応行動能力
- 排尿または排便の能力
- 遊びへの興味
- 運動に関する能力
それぞれの機能や能力の退行は半年ほどで止まりますが、退行が終わると「自閉傾向」「周囲への無関心」「常同行動」「特定の物へのこだわり」などが出て自閉症によく似た状態となります。
さらに、他の発達障害よりも症状は重くなり、中度から重度の精神発達遅滞となる事が多くなっています
小児期崩壊性障害の原因
小児期崩壊性障害の原因は今現解明はされておらず不明となっていますが、「脂質代謝異常」「亜急性硬化性全脳炎」「結節性硬化症」「副腎白質ジストロフィー(ALD)」「異染性白質ジストロフィー(MLD) 」などの病気が関連しているのではと考えられています。
小児期崩壊性障害の発生率
小児期崩壊性障害の発生率は約0.005%で、2万人に1人程度とされています。
また、発生数は女児よりも男児のほうが4倍から8倍ほど高いといわれています。