新しい物事への挑戦が出来ない子供の理由と対処法

 

新しい物事への挑戦が出来ない子供の理由と対処法

発達に遅れの有る子供は新しいことへの挑戦が苦手だということが多いです。
今までに無いことに挑戦しようとするとなかなか行動に移せず嫌がってしまったり、場合によっては固まって動かなくなったり、パニックになったり。

もちろん全ての子供に見られる特徴ではなく、好奇心旺盛に様々な事へ自分から取り組める子供も多く見られます。

このページでは発達に遅れのある子供の中でも、新しい物事に取り組むのが難しい子供の特徴やその理由をまとめています。

新しいことへの挑戦が難しい理由

では発達に遅れの有る子供はどの様な理由から新しい物事への挑戦が難しいのか、その障害の特性などから原因を調べてその対処法などをまとめてみました。

見通しを付ける

自閉症など発達障害を持つ子供は未来の事を想像したり、これから起こることを予想するのが苦手です。そのため、新しいことを行う際には、本人がこれからの状況を理解し納得できるように見通しを付けてあげる必要があります。

見通しにはこれから行うことだけではなく、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「なぜ」「どのように」と5W1Hのように必要な情報を教えてあげましょう。場合によっては、いつから始まりいつ終わるのか、これを行う事で何が起こるのかなど、子供が不安に感じていることを伝えて不安を取り除いてあげる必要があります。

成功体験を増やす

新しいことへ挑戦をする際には、成功体験を増やすということも重要です。成功体験が増えることで、子供本人も自信が付き、成功するという見通しをつける事にも繋がります。

成功体験を増やすため物事を取り組む際には、子供の今のレベルに合わせて簡単な事から行ったり、大人と一緒に行うなどの方法があります。また、1つのことに取り組む際にも何段階かに分けてスモールステップで行い、成功体験と自信をつけさせましょう。

成功体験を増やすと自信が付くだけでなく、成功するというイメージを持つことにも繋がり、自分から積極的に新しい物事へ取り組むきっかけにもなるでしょう。

逆にいきなり難しいことや複雑なことに挑戦し失敗してしまうと、苦手意識がついたり、失敗を恐れてしまうことがあるので注意が必要になります。

難易度を設定する

物事に取り組む際にいきなり物事の工程を全て行うのではなく、いくつかの難易度でわけ、本人に出来そうなレベルで選んで行う方法があります。

例えば縄跳びなどでは、最初にその場でジャンプをする、次は白線を跨ぐ、その次は置いた縄跳びを飛ぶ、その次は揺らした縄を飛ぶ、最後に回した縄を飛ぶというように分けます。

1つの物事でも難易度ごとに分けて行うと、成功体験を得る回数が増えて本人の自信や達成感を高める事に繋げることができます。また、成功する事が出来なくても子供が苦手としている部分を見つけることができ、難しいと感じている部分を集中して練習する事もできます。

手順や流れを説明する

新しい物事への取り組み方が分からない場合には、流れを説明したり、手順書などを作って見て貰うという方法もあります。

言葉や文章での理解が難しい場合には、写真やイラストを盛り込んだり、場合によってはビデオ動画などを見て貰うという方法もあります。

お手本を見せる

新しいことへのイメージや取り組むかたが分からない場合には、お手本を見せる方法もあります。

お手本は先生や保護者など大人が行うだけでなく、モデルとなり上手に取り組めるお友達の様子を見せる方法や、完成品や完成形を確認してもらうという方法もあります。

また、お手本だけでなく子供の一緒に行い、子供が苦手と感じている部分をフォローしてあげる事も重要になります。

興味を引く内容にする

新しいことへ取り組むのが難しい場合には、その子が興味を引く内容にするのも効果的です。

工作などを行う場合には好きなキャラクターを作る、ダンスや音楽などでは好きなアニメのテーマソングを使う、グループ活動では仲の良いお友達や好きな子と一緒に行うなどです。

たとえ新しいことに取り組むことができなくても、好きなテーマを使うことで取り組む物事へ興味を示せば次の機会に繋げることができるでしょう。

否定や比較をしない

新しい物事に取り組んでいる子は勇気をだして必死に行っています。たとえ結果が悪くても否定をしたり、比較をしないようにしましょう。

悪い部分や足りない部分を指摘されて否定をされたり、出来るお友達と比較をされると気分が沈んで苦手意識を持つだけでなく、自分自身が否定をされたと思ってしまう事もあります。

たとえ結果が悪くても出来た事に対して褒めたり、良い部分を見つけてあげるようにしましょう。

ご褒美を用意する

新しい課題などに取り組んだらご褒美を用意するという方法もあります。ご褒美にはお菓子や、シールやポイントなどの物から、挑戦する事ができたらゲームが出来るなど、そのこがご褒美を目的として行えるものにしましょう。

ご褒美で釣るのもどうかと思われることもあるかも知れませんが、苦手な新しい物事に挑戦するきっかけとして使用するのには効果的な方法です。苦手な物事がクリアーできるようになった際には、一つ高い目標を作りそれに向けて新たなご褒美で目標を作るようにしましょう。

ご褒美は新しい物事をに対して挑戦が出来たらあげるようにし、状況によっては最後まで行えなくても、参加できたことで認めてご褒美をあげても良いです。

落ち着ける環境で行う

感覚過敏で音に敏感であったり、周囲の様子に気を取られてしまい、物事に取り組むことが難しかったり、集中が出来ない場合には落ち着ける環境を作る必要があります。

音が敏感な場合には気になる音源から離す、耳栓やイヤーマフなどを使う方法があります。

視界に気になるものがある場合には、物を隠したり、パーティションなどで周りを覆うといった方法をとると良いでしょう。

お友達の前や人が多い場所で集中できない場合には個別のスペースを用意したり、少人数や一人で出来る環境を作ることも必要です。

失敗の対処法を教える

発達障害の子は失敗を恐れるあまり、新しいことに挑戦するのをためらう場合もあります。

失敗を恐れている場合には「失敗しても大丈夫だということ」「やり直しが出来る事」「失敗した場合の対処方法」などを教えて安心させましょう。

失敗しそうだと感じたら、周囲の人に助けを求める事を伝えたり、場合によっては周囲の人が失敗しそうだと感じたら手助けしてあげましょう。

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自閉症は失敗を嫌い失敗を恐れる | 発達障害-自閉症.net

準備の時間を用意する

発達障害の子供は次の行動に移るまでに、気持ちの切り替えや、行動の理解などを行うため時間がかかることがあります。

新しい活動を行う前には次の行動に移るまでの時間を作り、本人の中で気持ちの切り替えを行わせ、自分から納得して参加できるような準備時間を用意してあげましょう。

同じ場で見学をする

新しい活動に参加できない場合には、活動を行わなくても様子を見学するなど、同じ空間にいられるようにしましょう。見学をしていることで活動の内容を理解し参加できるといった場合もあります。

活動が理解できた場合には本人が出来ると思った時点で参加をしてもらったり、ここなら出来ると感じた場合には一部分だけでも参加をするという方法もあります。

役割を割り振る

新しい物事へ参加が難しい場合でも、その子に出来る係りや役割を作って参加してもらう方法があります。

役割には「道具の準備」「片付け」「応援」「記録や計測」「道具を配る」などで、本人が自信を持って行える係りを割り振りましょう。

役割を持つことで、本人の中にも参加をしているという意識を持てるほか、自信や達成感にもつながり苦手な物事への参加に結びつく場合もあります。

新しい事では無いと伝える

新しい事であると気持ち的に挑戦するのが難しくなってしまいますが、今までの続きであったり、過去の応用であるということを伝え、初めて行う物ではないと理解してもらう方法もあります。

初めての事だと思うと気持ち的に挑戦が難しくなってしまいますが、今での続きや応用であると思うと前回の成功や自信を思い出し、スムーズに行えるということもあります。

まとめ

発達に遅れのある子供はその障害などの特性から、様々な理由で新しい物事への取り組むのが難しいと思っている場合があります。

子供が新しい物事に取り組めないのは、不安やストレスを抱えているというメッセージでもあります。まずは子供の気持ちになり、どの部分を難しいと感じているのかを見極め、必要なフォローやサポートをしてあげることが重要になります。

最初は取り組むことが出来なくても最初だけや一部分だけなどから取り組み、徐々に取り組める時間や項目を増やして経験や自信に繋げてあげましょう。最初は苦手だと感じていたことでも子供本人の中で自信が付くとスムーズに取り組めるようになるはずです。

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