自閉症の子供は疑問系や疑問文による要求をする
自閉症の子供は疑問系や疑問文による要求をする
自閉症の子供は何かをして欲しい場合や物を取って欲しい場合などに、「疑問系」や「疑問文」の言葉で物事を要求することが有ります。
お菓子が欲しい場合、通常は「お菓子を取って」などと言葉で要求をしますが、自閉症の子供だと「お菓子とって?」と疑問文になってしまいます。
ではなぜ、自閉症の子供がは疑問文で要求をするのか調べてみました。
疑問文による要求をする理由
疑問文で要求する理由には「言葉の真似」「オウム返し」「文法の理解が困難」「コミュニケーションが困難」「場に適した言葉を選ぶのが困難」などいくつかの理由が考えられます。
言葉の真似をしている
一番の理由はこの「言葉の真似をしている」と言うことだと思います。
母親など周りの大人は子供に話しかけるときに「お腹すいた?」「眠くない?」「ご飯食べる?」などのように疑問文で語りかける場面が多くなります。
その為、自閉症の子供は疑問文の形式の文章が正しい使い方だと思い込んでしまい、自分から要求をする場合にも疑問文での言葉を真似して使用し要求をしてしまいます。
オウム返しをする
自閉症の特徴の一つとして言葉のオウム返しと言うものが有ります。
オウム返しは「エコラリア」や反響言語などとも呼ばれ、他人から話しかけられた言葉をそのまま繰り返して話してしまうことです。
言葉を話し始めるようになった自閉症の子供には、このオウム返しが多く見られるようになります。
そのために、他人から「何々したいの?」と疑問文で話しかけられると、オウム返しとしてそのまま疑問文で「何々したいの?」と言葉を返してしまいます。
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言葉の鸚鵡返し(オウム返し)とエコラリア | 発達障害-自閉症.net
文法の理解が難しい
自閉症や発達障害の子供は、文章の意味や文法を正しく理解するのがとても難しいということが有ります。
「何々しない」「何々やらない」などの否定文は、嫌な事やりたくない事など自分の強い意志を意味するので比較的理解はしやすいのですが、相手に疑問を投げかける疑問文は非常に理解をするのが難しい表現方法です。
また、自分の要求をする場合の発語は難しい傾向に有ります。そのために文法や言葉の使い方が理解できず、オウム返しなどで意味は違っても言いやすい言葉を話してしまいます。
コミュニケーションが困難
自閉症の大きな特徴に「社会性構築の困難」「コミュニケーションの困難」「興味の狭さと特定の物事へのこだわり」という3つの項目が有ります。
自閉症の子供は会話を含めて、相手とコミュニケーションを取るのが非常に難しいとされています。そのために相手に対して何かを伝えたい場合でも、聞きなれている疑問形式の文章で会話をしてしまいます。
また、言葉でのコミュニケーションを取ることの重要さの理解や欲求も少ないため、言葉の意味や言葉の活用方法を学ぶのも難しくなってしまいます。
適した言葉を選ぶのが難しい
自閉症の子供は物事を選んだり、応用するのが難しい特徴が有ります。
その場に有った言葉は頭の中では理解をしていても、とっさに選んで話すのが難しい場合も有ります。
そのために、聞きなれていて話やすい言葉として疑問文で会話をしてしまうという事も考えられます。
まとめ
自閉症の子供は相手との会話やコミュニケーションを取るのが困難です。
何かを物事を要求する場合にも、聞きなれていたり話しかけやすい疑問文形式の言葉で話をしてしまいます。
疑問分で要求をされた場合にはその都度、「何々してください」「何々を取ってください」「何々が欲しいです」などのように、正しい言葉遣いを教えていくことが必要です。
また会話を行うことで、相手との意思疎通ができることなどを少しずつ学ばせる事も必要になります。