人ごみが苦手 – 自閉症と発達障害の特徴・特性
人ごみが苦手
自閉症や発達障害の子供には街中や人ごみが苦手という子が多く見られます。
人ごみが苦手な理由
発達障害の子供が街中や人ごみが苦手な理由には以下の事が考えられます。
聴覚過敏
聴覚過敏の場合、人ごみでの様々な声や店のBGMや人ごみ自体の喧騒など様々な音が耳に入ってきてしまい大きな負担となってしまいます。
聴覚過敏の子供は沢山の音から一つの音を選んで聞くということが困難な為、沢山の音がいっせいに聞こえてしまうと、それぞれの音や声を処理することが出来ずに混乱してパニックになってしまう場合もあります。
人に圧倒されてしまう
発達障害の子供は人が沢山いる場所が苦手な場合があります。
苦手な理由には上記のように沢山の話し声が聞こえるためや、沢山の人の数や動く人自体に圧倒されてしまう場合があります。
雰囲気に圧倒されてしまう
スーパーやデパートの店内や繁華街ですと聴覚以外にも視覚からも沢山の情報が入ってきます。
そのため、一斉に多くのの情報が入ることで混乱したりパニックになってしまう事があり、店内で目をつぶったり動けなくなってしまう事があります。
また大きな建物や大きな空間、逆に狭いゴミゴミとして空間自体が苦手で圧倒されたり不安になったりしてしまう場合もあります。
その場に応じた行動が取れない
発達障害の子供は場の雰囲気を読むことが出来ず、その場に応じた行動を取るのが困難な場合があります。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)や多動などの特性をもつ場合には、公共の場所や電車内でおとなしくしているのが困難であることから、人ごみなどが苦手になってしまっている場合もあります。
人ごみが苦手な場合の対処法
あらかじめ説明をしておく
お買い物や街中にいく場合には、予め「どのような場所に行くか」「何をしにいくか」を説明することが効果的です。
以前行ったことの有る場所なら本人もおおよそ様子は分かると思いますが、始めていく場所などでは本人が理解できるように説明するの必要となります。
人の少ない時間帯に出かける
人ごみが苦手な場合には人が少ないと思われる時間帯や曜日に出かけるが良いでしょう。
特に電車やバスなどの公共機関を利用する場合には、朝夕のラッシュ時間を避けたり、人の乗り降りの少ない車両や位置に乗るのが良いでしょう。
電車などでは外の景色や運転席が見える位置だと、気持ちが景色や運転席に移り落ち着いていられる事もあります。
イヤーマフや安心グッズの利用
音に敏感な場合には好きな音楽の流れるポータブルプレイヤーやイヤーマフを使用したり、持っていると安心できるグッズ(お気に入りのヌイグルミや好きな本など)、気分を紛らわせるゲーム機などを持たせるのも良いでしょう。
ご褒美を用意する
外出をする際にはご褒美を用意するのも効果的です。
ご褒美といっても「外出が出来たからお菓子をあげるよ」と言った具体的なものではなくても「デパートにお買いものに行って、好きな絵本を買いに行こう」という感じの目的を与える意味でのご褒美でも効果的です。
絵本を買いに行くという目的が出来ると、多少の苦手なことでも頑張れる場合があります。
人ごみや外出を嫌がったりパニックになった場合
街中でパニックや動けなくなってしまった場合には、静かな場所に移動してクールダウンして落ち着かせることが必要です。
電車やバスなどに乗っている場合には途中下車をして休憩することも必要です。
本人が嫌がってしまう場合には無理に連れて行かず、行くのをあきらめる事も一つの手段です。
無理に連れて行かれることでパニックや不安になるどころか、外出自体を嫌がってしまう事にも繋がりかねません。
まとめ
人ごみを嫌がるのには聴覚過敏で有る場合や、人や雰囲気に圧倒される場合、その場に応じた行動を取れないなどがあります。
人ごみなどに出かける場合には、事前に説明をして、人の少ない時間帯に行くのが良いでしょう。
また、安心できるグッズの持参や聴覚過敏の場合にはイヤーマフやポータブルプレイヤーの用意なども効果的です。
人ごみでパニックになった場合には落ち着ける場所に移動してクールダウンをし、本人が嫌がる場合には帰宅する事も重要となります。