自閉症や発達障害は疲れやすい

   2017/05/07

自閉症や発達障害は疲れやすい

自閉症を代表する発達障害の人の特徴に『疲れやすい』と言うものが有ります。
自閉症や発達障害だからといって必ず疲れやすかったり、疲れやすいから発達障害と言うわけでもありませんが、比較的よく聞く特徴の一つになっています。

ではなぜ自閉症や発達障害の人は疲れやすいという特徴があるのでしょうか。
様々な観点から調べてまとめてみました。

疲れとは

まず、疲れとは「疲労」とも言うことがあり、身体や心に様々なストレスや負担がかかることで発生し、休みを求める欲求や不快感や倦怠感を伴う症状です。

疲れには病気などが原因による『病的疲労』と、病気などが原因でなく休息を取れば回復する『生理的疲労』に分類されます。

また、体を動かすことや負荷がかかる事で発生する『肉体的な疲れ』と、精神的ストレスや思考や記憶を行うことで発生する『心や精神や脳の疲れ』に分ける事もできます。

自閉症や発達障害の人は疲れやすい理由

自閉症や発達障害の人が疲れやすい理由について『精神的な面』と『肉体的な面』から考えてみました。


精神的な疲れ

感覚が過敏

自閉症などの人は様々な感覚に過敏であるという特徴が有ります。
過敏な感覚は人によって違いますが「音」「光」「熱い・冷たい」「臭い」「視覚」「触覚」などです。

感覚が過敏で有ることで周囲の人の話し声や物音、喧騒やBGMなどの音、場所の明るさや臭い、目に入る人や物などが気になり、意識し過ぎたりそれをやり過ごす事でストレスが溜まり疲れてしまうことが有ります。

感覚が過敏であると、商店街や街中を歩いているだけ、車や電車に乗っているだけでも健常者の何倍もの刺激を受け疲れが溜まってしまいます。

関連ページ
自閉症の感覚過敏とは| 発達障害-自閉症.net

他のことを気にしてしまう

上記の感覚過敏と似たものになりますが、本来行っている事とは別に目や耳に入った情報を気にしたり意識しすぎることで疲れてしまうことが有ります。また、複数の情報が同時に入ると混乱してしまい、より疲れを生じる事も有ります。

物事を行う場合には静かな場所で行ったり、周囲に物などをなるべく置かず、本人に入る情報を少なくすることが効果的です。

終わりや止めるタイミングがわからない

発達障害の場合、時間的な面で物事の終わりや止めるタイミングがわからない事が有ります。
終わりがわからない場合には「いつまで行えばよいのか」とストレスになります。止めるタイミングがわからない場合には、自分が疲れてしまっても止めたり休憩したりすることが出来ず疲労が積み重なってしまいます。

この場合には予め「何時まで行う」などスケジュールを決めたり、「何個やったら終わり」など予定を教えることで、対応しやすくなります。

過度に集中してしまう

自閉症や発達障害の特徴に「物事へのこだわり」があり、興味のある分野などに対しては非常に集中してしまう『過集中』となる事が有ります。

集中している間は疲労を感じませんが、集中が途切れたとたんに強い疲労感を覚えることが有ります。

なお、集中することは物事を行っている場合だけでなく、考えたり何かを眺めたりする場合も有ります。その為、周囲の人からは「何もしていないのに疲れている」を思われてしまう事も有ります。

人とのやり取りに気を使う

発達障害の代表的な特徴に「他人とのコミュニケーションが苦手」と言うものが有ります。コミュニケーションが苦手だと、『相手との距離感』『場の空気』『会話』『仕草』などを人と関わるたびに1つ1つの物事を考えて行動を行います。

そのために、人や社会と関わるだけでも非常にストレスを感じたり、精神的に疲れてしまいます。

複数のことを同時に行えない

発達障害では複数の事を同時に行うというのが非常に困難な場合が有ります。例えば「話を聞きながらメモを取る」「黒板を見ながらノートをとる」などです。

健常者では普通に出来ることでも発達障害の場合には非常に難しく、一見普通に出来ているようでも非常に体力や気力を使ってしまい疲れに繋がっている事が有ります。

肉体的な疲れ

体の発達が未熟

発達障害の子供は健常児と比べて体の発達が遅れていたり未熟であったりする事が有ります。特に筋肉の発達の遅れは比較的多く、筋力が少ないことから疲れやすくなったりすることが有ります。

また体幹機能が弱いことで、上手に姿勢が保持できなかったり、必要のない筋肉に力が入ってしまうことで身体が疲労してしまうことが有ります。

体を上手に動かせない

発達障害の特徴に複数の動作を行えないというものがあり、代表的な障害として『発達性運動協調障害』があります。

これは身体の複数の場所を同時に動かすのが難しく複雑な動きが出来ないばかりか、歩行やバランスを取って姿勢を保持することも困難な場合が有ります。

その為、何かの動作を行うのにも時間がかかったりしてしまい、身体的に非常に疲れてしまうことが有ります。

関連ページ
発達性協調運動障害とは | 発達障害-自閉症.net

睡眠障害

発達障害の場合には睡眠障害を持っている場合も有ります。その為にしっかりとまとまった睡眠がとれず体が回復が遅れ疲れが溜まっている事も有ります。

その他の理由

「精神的な疲れ」と「肉体的な疲れ」以外のその他の理由として、疲れの認識が不完全というものが有ります。

疲れの認識が不完全とはどのようなことかと言うと、身体の痛みを体の疲れと感じてしまったり、不安や嫌悪感などを疲れと認識してしまうことです。

発達障害だと感覚が過敏で有ると同時に感覚が不完全の場合も有ります。
そのために感じ取った事を別の感覚として認識してしまい、体や心の不快感を疲れと感じ取ってしまうことも有ります。

まとめ

発達障害の人は様々な理由から、健常者よりも疲れやすくなったり疲労を感じてしまうことが有ります。

多動の特徴が有り動き回り体力は有り余っているような人でも、人の多い場所、情報や刺激の多い場所だと疲れてしまうということも有ります。

疲れの度合いは障害の重さや併せ持った病気など、人によって様々です。
本人が疲れたと意思を示した場合には、休ませたり休憩をとることが必要になります。
無理をさせると二次的な障害や病気に繋がる事も有るので注意が必要です。

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