学校のイベントや行事に参加ができない

 

学校のイベントや行事に参加ができない

自閉症などの発達障害を持つ子供は、学校のイベントや行事に参加することが難しい場合があります。

特に学校では「入学式」「卒業式」「学園祭」「運動会」「球技大会」「校外学習」「遠足や修学旅行」「宿泊合宿」「社会化見学」...と、多くのイベントや行事があり、子供たちにとっては避けて通れないものになります。

親としては子供にイベントや行事を体験して欲しいと思いますし、子供の晴れ舞台を見たいとも思うでしょう。

しかし、イベントや行事が苦手な子は参加が出来ないだけでなく、それらの練習を嫌がったり、イベントが近づくと分かると気分が落ち込んだり、場合によっては登校拒否になり、それどころでは無くなってしまうこともあります。

では、イベントや行事が苦手な子供は、どの様な理由から参加が難しいのでしょうか。その理由や対処方法をしらべてまとめてみました。

イベントや行事に参加できない理由

発達障害の子供がイベントや行事に参加できない理由には、その特徴から様々な原因があります。


普段の行動パターンと違うため

発達障害児の大きな特徴として、決まった行動パターンを好み、変化や予期しない行動が苦手という特徴があります。

通常の子供であると普段と違うイベントはワクワクして楽しみである事が多いです。しかし、発達障害を持つ子供にとっては普段と違うパターンであるため見通しが持てず、「どのように対処をすればよいのか」「何を行えばよいのか」などの不安を感じてしまいます。

普段の日常と違うというだけで不安になってしまうだけでなく、行動パターンをイベントや行事にあわせるということも苦手であります。

やり方がわからない

イベントや行事は普段と違うことを行います。

通常の授業内容であれば毎日行っているため、「何を行うのか」「何を用意すれば良いのか」「何処へ行けばよいのか」「授業時間は何分間か」などを理解しているので落ち着いて行動することができます。

しかし、普段の行動パターンと違うイベントや行事であると、「何をすればよいのか」「これから何がおこるのか」がわからず、不安やストレスを感じてしまいます。

また、根本的な事として「何のために行うのか」という部分がわからず、納得が出来ないために参加するのが難しいといったこともあります。

感覚過敏のため

自閉症などの発達障害の人には『感覚過敏』という特徴を持つ事が多くみられます。

感覚過敏とは様々な感覚がとても敏感になる状態で、耳が敏感になると『聴覚過敏』、視力が敏感になると『視覚過敏』などと呼ばれます。

聴覚過敏であると音が通常の人よりも大きく感じたり、人のざわめきが一斉に耳に飛び込んでしまい処理が出来ず混乱してしまいます。

視覚過敏であると光を眩しいと感じたり、沢山の人の動きなどを見ると目が疲れてしまうということに繋がります。

運動会、音楽発表会、学園祭などの催し物は、音や光や沢山の人など感覚過敏を持った人にとってはとても辛いものになります。運動会ではピストルの音、応援の声、沢山の観客など、発表会では音楽や楽器の音や照明の光などを苦痛と感じてしまいます。

イベントや行事で行うことが苦手

発達障害の子供は様々な面で苦手な事や、不得意な事が多く見られます。不得意なことにはその特性から「早く走れない」「上手に体を動かせない」「人前で緊張してしまう」「話すのが苦手」などがあります。

行事に関する行動が苦手であったり自信を持つ事ができないと、イベントや行事に参加するのを嫌がってしまいます。

また、行事の内容を一人では行うことが出来ても、多くの人前であったり、誰かと比べられてしまう場合だと、自信が持てずに参加できないといったこともあります。

イベントや行事に参加できない場合の対処方法

イベントや行事に参加できない主な理由には以下のものが考えられます。
イベントや行事に参加できない場合には、その子供の特性や、不安や苦手に感じているものなどを把握し、本人の気持ちに寄り添って無理の無い対処をする必要があります。

見通しを付ける

自閉症など発達障害の子供は、見通しが付かないことへの行動はとても不安を感じます。

行事やイベントを行うことが予め決まっている場合には、事前に何を行うのかを具体的に説明し、本人が納得をして見通しを付けてもらう必要があります。

見通しを付ける方法には、行事予定やスケジュール、写真や絵、昨年行ったイベントのビデオを見てもらうなど、本人が一番理解しやすい方法を取りましょう。場合によっては事前に予行演習を行ったり、イベントが行われる場所へ下見に行くといった方法もあります。

見学からはじめる

見通しを付ける事が出来ても、いきなり行事やイベントに参加するのは難しいでしょう。

まずは離れた位置で見学から初めて「何を行っているのか」「どの様なことをしているのか」を実際に確認するのも効果があります。練習などの場合は何度か見ているうちに、流れや行うことを理解し、本人の不安を減らすことに繋がります。

見学をしている中で本人にとって簡単だと思われる部分から参加をしたり、一部だけでも出来るような所から参加を促してみるのも方法の一つです。

少しずつ参加をする

イベントや行事に参加する際には、少しずつ段階を踏んで参加をする方法があります。

一人で参加が難しい場合には先生や保護者と一緒に参加したり、仲の良いお友達に誘ってもらい参加する方法があります。

場の雰囲気などの圧倒されている場合には、最初は離れた場所で行い、徐々に距離を近づけて行きましょう。

人の数にストレスを感じている場合には、最初は先生や保護者だけで行い、なれてきたら少人数のグループから参加し、徐々に人数を増やしていく方法がよいでしょう。

役割を持たせる

気持ちの問題でイベントや行事に参加が難しい場合には、本人に何らかの役割を持たせるといった方法もあります。

役割には子供が得意なことや簡単な作業、人前が苦手な場合には裏方でのお手伝いなどがあります。

自分の役割があると本人の中でも参加しているという意識が高まるだけでなく、役割をこなすことで自信や達成感にも繋がるでしょう。

辛くなったら避難できる環境を作る

行事やイベントに参加できても、徐々にストレスが高まり不安になってしまう事もあります。そのような場合には辛くなったら逃げてよい場所や、クールダウンが出来るスペースを用意しておきましょう。

なお、気持ちが不安定になってから避難場所へ誘導するよりも、予め避難場所を教えておき、気持ちが落ち着かなくなったら本人の意思で移動できるようにすると効果的です。

避難後はクールダウンができたら本人に気持ちや様子を確認し、再度参加できるような大勢を作っておくことも必要になります。

また、避難場所だけでなく、困った場合にはどうしたらよいかも伝えておくと良いでしょう。

安心グッズを持たせる

本人の気持ちが落ち着くグッズなどがある場合にはそれを持たせるという方法もあります。

安心グッズには、本人の気持ちを落ち着かせるための手触りの良いタオルで有ったり、聴覚過敏のある子供には耳栓やイヤーマフなど、ストレスを軽減させる物になります。

実際には使うことが無くても、お守り代わりとして持っているだけで気持ちを落ち着かせることが出来たり、本人がストレスに耐えられなくなったら頼れるグッズがあると思うだけでも、気持ちを安定させることが出来ます。

まとめ

自閉症などの発達障害の子供がイベントや行事に参加するのが難しい理由には、様々なものがあります。これは子供が多くの不安やストレスを抱えているという事でもあります。

学校では運動会や発表会など大きなイベントが近づくと練習が始まります。

子供たちにとっては本番だけでなく練習も大きなストレスになり、荒れてしまったり気持ちが不安定になってパニックなどに繋がる事も多くなります。先生も一生懸命になってしまうので、学校の空気も普段と変わり、学校に行きたくないという子供も多く見られる時期でもあります。

まずは、無理をせず本人の気持ちに寄り添い、少しずつイベントや行事への理解や参加への手助けをしてあげる必要があります。場合によっては参加が出来なくても、見学や同じ場所に居るだけでも子供は頑張っているので褒めてあげましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket