グループや集団での行動や活動に参加出来ない
グループや集団での行動や活動に参加出来ない
発達障害など発達に遅れのある子供の場合、グループや集団での行動や活動に参加が難しいという場面が多く見られます。
人が多い場所を嫌がってしまったり、集団で活動する場面でも別の場所に行ってしまったり、一人だけ別のことを行っていたりという事もあります。
では実際にどの様な理由から発達に遅れの有る子供は、グループや集団での活動が難しいのかその理由や対処方法を調べてみました。
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グループや集団に参加できない原因を見つける
子供がグループ活動に参加できない場合、必ず何らかの理由が有るはずで、その原因や理由を見つけることが解決の第一歩になります。
感覚過敏
感覚の過敏が有る子供の場合には、お友達の声やざわめきが苦手であったり、多くの人が居る場所では圧倒されたり音や動きなどの情報を取り込みすぎて疲れてしまうということが考えられます。
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見通しがもてない
発達障害などので発達に遅れのある子どもは、今後の行動を予想したり、周囲の状況を見て自分で考えることが苦手であることが多いです。
集団行動を行う場合は行事や特別な授業などである事が多く、普段の流れや行動を違うため、見通しが付かず何をすれば良いのか分からず不安になるため、スムーズに行動する事が出来ない場合があります。
準備や気持ちの切り替えが間に合わない
気持ちや行動の切り替えに時間がかかったり、準備をするのにも時間を要することがあります。
特に集団行動が苦手な子供の場合には、気分を落ち着かせる、気持ちを集団行動に切り替える、集団行動で何を行うのか理解をする、頭の中で集団行動をシュミレーションするなど、様々な事を考えている場合があります。
これらの気持ちや自分の考えがOKになった際に初めて行動が可能になる子供も多いため、直ぐに集団行動に参加ができないこともあります。
他人とのコミュニケーションが苦手
コミュニケーションの能力が弱い特徴を持っている子供だと、大人数の中でのコミュニケーションが苦手で集団行動を嫌うということもあります。
自閉症などの子供の場合には言葉でのやり取りができない事もあったり、言葉を話すことが出来てもその場に有った会話をするのが難しい事も有ります。
集団の中で話しかけても話がかみ合わずにコミュニケーションが取れなかったり、逆に「何かを話して話題を保たなければ」と思ってプレッシャーになっていることもあります。
他人への関心がうすい
自閉症などの子供の場合には他人への関心が薄かったり、自分の周りに他人が居ることに気が付かないという場合があります。
このような場合には周囲の人への意識が無いため、周りの人と一緒に集団行動をするという事も難しくなります。
こだわりなどから
発達に遅れのある子どもは様々なこだわりなどから、やりたい事ややりたくないことがハッキリしている場合があります。このようなこだわりがあると、一人で行いたいと思ったり大勢でやることではないと考えている場合が有るので、集団で行動をするということが難しくなります。
集団行動やグループ活動の意味が分からない
グループ活動を行うに当たっても、これから何をやるのか見通しが付かなかったり、お友達と一緒に行動や活動をするといった根本的な意味が理解できていないということもあります。グループで活動を行う事自体を理解していても、どのようにグループを作ればよいのかわからなかったり、グループへの参加方法が難しいという事も考えられます。
グループに参加できても行う行動や課題がわからず、一人で違うことを行ってしまったり、興味のある場所へと向かってしまうということもあります。
また、グループには参加したいけれども、何らかの理由で今は参加する気持ちでは無いということもあるので、子供のその時々の様子を考慮することも重要です。
グループ活動を行う見通しを付ける
発達に遅れのある子どもはこれから行う事を予測して理解をするということを苦手としています。そのため、グループ活動を行う場合には予め行う事を説明し、見通しを付けてあげる必要があります。
見通しをつけるためには、グループ活動を行う事、グループ活動では何を行うか、グループはどのように決まるか、グループには誰がいる、どの様な手順や順番でグループ活動が行われる、人数がどのくらい居る、場所は何処で行うなど、子供が気にしていたり不安に感じていると思われる部分を伝えましょう。
言葉で伝えるのが難しい場合には、黒板やホワイトボードに箇条書きで書いたり、過去に行ったグループ活動の写真や動画などを見せ、視覚からの情報で伝えてあげましょう。
人数に圧倒される場合
人数が多いと圧倒されてしまったり、不安やストレスを感じてしまうという子供も多く見られます。学校などの集団行動では何十人から場合によっては何百人が一斉に集まることがあり、この大人数に圧倒されてしまうことも多いでしょう。
特に感覚がとても敏感になる、感覚過敏の特徴を持っている場合には人が多いと刺激が強すぎてストレスを感じたり混乱したりしてしまう事があります。
聴覚の感覚過敏だと人の声やざわめきがとてもうるさいと感じたり、たくさんの話し声が一度に聴こえてしまうので混乱する事があります。視覚が過敏であると、たくさんの人が集まる様子や動く様子を見てストレスを感じるということがあります。
大人数が苦手な子供の場合には、二人一組など、少人数のグループ活動から行うようにすると良いでしょう。
グループの人数だけでなく全体の人数に圧倒されてしまう場合には、会場の端や別室などで人の人数を調整して行う方法もあります。
見学から行う
グループ活動が苦手な子供の場合、説明などで見通しを持っても、いきなり参加するのは難しい場合も多くあります。
そのような場合、最初は見学から行い、本人が『参加できる』と思った場所から参加してもらう方法もあります。
最初に見学することで実際に行う事やグループのお友達などを知ることが出来るので、本人にとってもストレスや不安は軽減されると思います。
また、参加できる場所は参加してもらい、難しいと思った部分や、ストレスなどを感じてしまったら再度見学に戻るという方法も必要です。
参加もいきなり長時間行わず、短時間だけ参加をしたり、短い時間で数回に分けストレスのたまらないように参加するのも良いでしょう。
全く参加が出来ない場合でも、同じ空間で場を共有することや、お友達の行動や活動を見るだけでも、本人の中では『一緒に活動できた』と経験や満足感を得て次回に繋がるきっかけにもなるので、グループでの活動に参加が出来なくても同じ場所にいることは重要です。
活動に参加していても徐々にストレスなどで辛いと感じてしまう事もあるので、辛くなったり不安になった場合には集団から離れても良いというルールを作ったり、クールダウンできる場所なども用意しておきましょう。
役割や係りを持たせる
グループ全体の活動や行動をする事が難しくても、本人に出来る範囲で役割や係りを任せるという方法もあります。
自分で出来る事ならその部分だけでも自信を持って参加することが出来ますし、本人の中でも達成感や満足感を得ることにも繋がります。
グループ内で自分の立ち居地やどのようなことを行えばよいのか分からない場合には、本人の特徴や得意なことを考慮し、グループ内で期待される行動を教えてあげるという方法もあります。
仲の良い人、フォローできる人、見本となる人を配置する
グループを組む場合も仲の良いお友達と組んだり、フォローをしてもらえる人を入れるという方法もあります。グループ活動に不安を感じている子供でも、仲の良いお友達が居れば参加できたり、フォローをしてもらえる人が居れば安心し活動に参加しようという気持ちにもなるとおもいます。
フォローが出来る子供が居ない場合には先生や大人が入り、子供が苦手としている部分や不安を感じている部分をフォローしてあげましょう。子供本人が対処できるようになったら、フォローを行う人はフォローする回数を少なくしたりグループから抜けると、子供本人の対応力をつける事が出来ると思います。
見本となる人を同じグループ内に入れるのも効果的です。お手本をなる人を近くに置くことで、その人のやり方を見て学んだり、真似をすることでどのように行うかを理解するきっかけになります。
グループ活動を行う意味や目的を理解してもらう
ただ漠然とグループで活動をするといっても意味や目的が分からないと、参加するのが難しい場合があります。
このような場合には見通しをつけるために説明をする際に、グループ活動を行う目的と意味を教えて理解をしてもらう必要があります。
学校などでは運動会やスポーツ大会を行うためのチームであったり、グループ学習を行うためなど様々な場面でグループを作ることが多いと思います。それぞれの場面で1つのチームとして一緒にスポーツやゲームを行う事、グループ内で意見を出し合って学習を行う事などを説明することでグループで活動や行動をする意味の理解に繋がると思います。
グループの人を明確にする
グループ活動に参加をしても、自分がどのグループに所属をしているのか分からなくなったり、誰が自分のグループなのか理解が出来ず、結果としてグループからはみ出たように見えてしまうこともあります。
このような場合グループごとに活動を行う場所を決めたり、色分けしたネームカードを身に付けるなど見た目でグループを区別出来るようにしましょう。ホワイトボードや黒板にグループの人の顔写真などを貼って、だれがどのグループなのかを見て確認できる方法を取るのも良いでしょう。
同じ空間でグループごとに活動する場合には、各グループ間で明確な距離を取って、それぞれグループが違うということが分かるようにしましょう。
コミュニケーションの方法を教える
会話や話題の提供などコミュニケーションを苦手としている場合には、集団行動でのコミュニケーション方法を教えてあげましょう。
まずは集団で何をやるかを伝えて見通しをつけた後に、その中でどの様な会話が必要であるかを教えてあげましょう。グループ学習なら学習の内容や自分の感じたことを話すように教えたり、修学旅行の班などでは旅行に感する事や自分の行きたい場所などです。
話すのが苦手な場合には無理に話す必要が無いことや、自分が参加できると思った会話だけでも良い事、相手から話題を提供されたらそれに答えるといった事も伝えてあげましょう。
まとめ
発達が遅い子供がグループ活動に参加をするのが難しい理由には、その障害の特徴であったり、グループ活動自体の目的や意味が分からない、自分のグループがどこだか分からないなど、様々な理由が考えられます。
学校の生活だけでなく、社会に出てからも地域社会や会社などでグループや集団での活動や行動を行う事が多くあります。
発達障害の場合はその特性から他人を意識しての行動が難しい事もありますが、一緒に行動が出来なくても集団を意識することが必要になります。