自閉症が他人の髪の毛を引っ張る理由

   2017/04/23

自閉症が他人の髪の毛を引っ張る理由

自閉症の人の大きな問題行動の一つに他人に危害を加えてしまう行為があり「他害行為」「他傷行為」とも呼ばれています。その中でも髪の毛を引っ張ってしまうという行動が多く見られます。

この髪の毛を引っ張ってしまうという行動はなぜ起こるのでしょうか。様々な面から調べてまとめてみました。

他害行為・他傷行為とは

まず「他害行為」「他傷行為」とは、他人に対して過度に「叩く」「蹴る」「噛み付く」「引っかく」「髪の毛や衣服を引っ張る」といった行為により危害を与えてしまう行動です。原因には「ストレス」「意思表示」「遊び」「こだわり」などが有ります。

関連ページ
他害・他傷・暴力行為の原因と対処法- 自閉症と発達障害の特徴・特性 | 発達障害-自閉症.net

髪の毛を引っ張る行為には、撫でる様に触る程度から、掴んだ髪の毛を毟り取るほどの強い髪引きの場合まで様々です。髪の毛が抜けてしまうほど引っ張ると、相手はかなり痛みを伴うので「他害行為」となります。

髪の毛を引っ張る理由

髪の毛を引っ張ってしまう理由にはストレスなどから、単純に髪の毛が好きだという理由まで様々有ります。自閉症の人が髪の毛を引っ張ってしまう理由でよく見かけるものをまとめてみました。


ストレスから

ストレスなどが溜まってイライラしている場合に、そのストレス発散先として他人の髪の毛を引っ張ってしまうということが有ります。

またストレスやイライラが原因の場合には、髪の毛を引っ張るだけでなく「叩く」「蹴る」「引っ掻く」「噛み付く」「物を投げる」「物に当たる」など、他の他害行為や問題行動なども見られると思います。

ストレスが原因の場合にはいきなり髪引きを止めさせるのではなく、ストレスの原因となっている物事を突き止めて対処を行う必要が有ります。

他人を注意しようとして

大きな声を出していたり泣いている子供の髪の毛を引っ張る、ばたばたと暴れている人の髪の毛を引っ張ってしまう場合には止めさせようとして注意するつもりで髪の毛を引っ張っているという事も有ります。

自閉症の人はその場に適した言葉を出すのが難しかったり、対人関係のコミュニケーションを取ることが非常に苦手です。そのために「うるさい」「止めて」と注意することが出来ずに、髪の毛を引っ張るという行動をとる事があります。

対処方法としては、言葉が有る人なら「やめて」「うるさい」など言葉での意思表示を促します。言葉を出すのが難しい場合には絵カードや意思表示カードを提示させたり、髪の毛を引っ張るのではなく、とんとんと肩を叩いて注意をさせる方法や、手でバツ印を出して相手に止めさせるように意思を表示させる方法を教えます。

何かを伝えようとして

他人に何かを伝えようとして髪の毛を引っ張ってしまうという事も有ります。
先の項目にも記載しましたが、自閉症の人は自分の意思を他人に伝えることはとても苦手です。そのために様々な事柄を伝えようとする為に、手に取りやすい髪の毛を引っ張る事も有ります。

上記項目の「ウルサイ」「止めて」などの他にも、「そばに居て欲しい」「遊んで欲しい」などの気持ちを伝えたい為に髪の毛を引っ張る事もあります。

髪の毛が好きだから

自閉症の人の中には単純に髪の毛が好きで、「髪の毛を触りたい」「髪の毛を近くで見たい」「髪の毛の臭いをかぎたい」などの理由から、髪の毛を触ったり引っ張ったりしてしまう事が有ります。このように髪の毛が好きな場合は長くて綺麗な女性の髪の毛を好むことが多く、引っ張るだけでなく、手触りを楽しんだり、口に咥えたりしてしまう事も有ります。

髪の毛が好きな理由には「さらさらしたものが好き」「手触りが好き」「シャンプーなどの香りが好き」といった事が考えられます。人によってはストレートヘアーを好んで引っ張ったり、ポニーテールの様に縛ってある髪の毛を好んで引っ張るなどそれぞれです。

また、男性の自閉症者が特定の女性の髪の毛を引っ張る場合は、その女性自身が好きと言う事も有ります。多く見られるのは「母親の髪の毛」「女性の先生」「女性の施設職員」等が有ります。

髪の毛が好きで引っ張っていると「好き」という好意から「こだわり」へと変化して、とりあえず引っ張らないと気がすまないという事に繋がる恐れもあるので注意が必要です。

関連ページ
自閉症のこだわり| 発達障害-自閉症.net

相手の反応が楽しくで

自閉症の髪引きには相手の反応が楽しくて髪の毛を引っ張ってしまう事も有ります。

大抵の人は髪の毛を引っ張られると「痛い」「止めて」など大きな声を出したり、ビックリしてしまうと思います。自閉症の人の中にはその声や反応、その後の「引っ張っては駄目!」などの怒られる行為自体を好む場合も有ります。

この場合は反応を示したり、怒る、注意をするなどは逆効果になる場合が有ります。対処法としては髪の毛を引っ張られても無視したり、過度な反応を示さないことが効果的です。また、別なことへと気をそらしたり、好きな物事へ興味を向けてあげるなども効果が有ります。

遊びとして引っ張ってしまう

自閉症の人の中には遊びの一環として髪の毛を引っ張ってしまうという事も有ります。

髪の毛や髪の毛を引っ張る行為には「長くてさらさらしている」「手触りが良い」「シャンプーやリンスなどの良い香りがする」「引っ張った相手の反応が有る」など、自閉症の人が好む事が多く含まれます。そのため髪の毛に興味を持ち、遊びとして引っ張ったり触ったりしてしまう事も有ります。

まとめ

自閉症の人が髪の毛を引っ張ってしまうのには様々な理由が有ります。

そのため、何の目的で髪の毛を引っ張っているのか原因を探る必要が有ります。原因が分かれば対処法も見えてくるので、他の方法で意思表示をさせたり、他の物事に興味を剥かせるなどして髪引きを止めさせる事も出来ると思います。

注意をする場合には「相手が痛い事」「相手は嫌がること」などを、しっかりと教える必要が有ります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket