自閉症は同じ言葉を繰り返す – 自閉症と発達障害の特徴・特性
同じ言葉を繰り返す
自閉症などの発達障害の子供は同じ言葉を何度も繰り返して話してしまう事があります。このページでは気に入った言葉を何度も繰り返す「遅延エコラリア」についてを記載しています。
話しかけられた言葉を直ぐに繰り返す「オウム返し」については以下のページを参照してください。
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言葉の鸚鵡返し(オウム返し)とエコラリア | 発達障害-自閉症.net
同じ言葉を繰り返す理由
同じ言葉を何度も繰り返すのには以下の理由が考えられます。
- その言葉が話しやすい
- その言葉が心地よく感じる
- その言葉に思い入れがある
- その言葉で人の反応を楽しみたい
- 無意識に出てしまう
- 気持ちを落ち着かせるため
- 嫌いな音を掻き消すため
その言葉が話しやすい。
自閉症や発達障害の子供は持っている言葉が少なかったり、言葉自体を発声するのが難しい場合が多く有ります。
そのため、言葉の意味や使い方が違っても本人が使いやすい言葉として、同じ言葉を何度も繰り返して話す場合があります。
その言葉が心地よく感じる
こだわりや常同行動のように、その言葉の意味や語感やリズムが心地よいと感じるとその言葉を何度も発する場合があります。
その言葉に思い入れがある
言葉自体に良い思い出などがあると、場面が違ってもリラックスする為や楽しかったことを思い出し、何度も話したり口にすることがあります。
その言葉で人の反応を楽しみたい
同じ言葉を何度も話すことで周りから注意されたり、反応を返してくれたりと、人との言葉のやり取りを楽しみたい為に発する場合があります。
無意識に出てしまう
印象に強く残った言葉やフレーズの場合、本人が意識をせずに口から出てしまう場合があります。
この場合はCMのフレーズや好きな音楽の一部分、アニメや映画のキャラクターの台詞などを話すことが多いです。
気持ちを落ち着かせるため
パニックや不安になった場合に自分を落ち着かせるために、同じ言葉を何度も繰り返す行動も見られます。
パニックや不安になっている場合には表情や仕草で、その様子が見れ取れると思いますので、その際には落ち着かせてパニックや不安の原因を取り除いてあげることが重要です。
不安になった場合には「なになにしないよ」と不安であることの否定の言葉を言ったり、「おうちかえる」「おばーちゃんち行く」「お母さん来る」など好きな場所・人・物などのを話す事もあります。
嫌いな音を掻き消すため
聴覚過敏の子供が嫌いな音が聞こえた場合に、嫌いな音を掻き消すために耳を押さえながら何度も同じ言葉を繰り返して話す場合も見られます。
この場合は言葉というよりも「あー」「うー」などの発音が多いことがあります。
聴覚過敏の子供が耳を押さえて声を上げている場合には、不安な音の聞こえない場所に移動したり、耳にイヤホンやイヤーマフなどを付けて安心させてあげることが重要です。
まとめ
同じ言葉を何度も繰り返すにも様々な理由があります。
同じ言葉を何度も繰り返す理由を周りが理解することで、その子の気持ちを汲み取ってあげる必要があります。
また、言葉が少ない子供の場合には、言葉を発した際に適切な声かけや言葉の指導を行うことで、より多くの言葉を理解し発語できる言葉を増やすきっかけになると思います。