発達障害の子供への褒め方

 

発達障害の子への褒め方

発達障害の子は「できないこと」「難しい事」「やってはいけないこと」などが目に付きやすく、叱ったり注意をしてしまうことがつい多くなってしまいます。そのため子供たちも注意や叱責を受ける機会が増えるため、自身を失い、自己肯定感も少なくなってしまいます。

しかし、発達障害の子供たちにも良いところや、頑張っている事などはたくさんあると思います。子供たちの行動を見て悪いところを見つけるのではなく、良いところを見つけてあげてたくさん褒めて伸ばしてあげましょう。

周囲から褒められたり、取った行動を認められることにより、子供自信も良い行動を理解する事に繋がります。

子供への褒め方

発達障害を持った子供への褒め方や、褒めるタイミングの作り方などはその状況によりさまざまですが、基本はたくさん褒めてあげ『褒めて伸ばす』を意識しましょう。

ほめる機会を増やす

発達に遅れのある子はどうしても、「できないこと」「だめなこと」「きけんなこと」などが目に付いてしまい、褒める機会やタイミングも少ないと感じることが多いと思います。

ですが、褒める機会を増やすのは無理に良かった部分を見つけて褒めるのではなく、ちょっとした事を褒めてあげることで十分です。

例えば、「静かにできた」「お菓子の袋を開けられた」「ゴミを拾ってくれた」「指示に従えた」「着座できた」などです。

宿題を行った際に宿題の問題自体は間違ってしまっていても、自分から取り組む事ができたらその姿勢についてを褒めてあげましょう。

褒める機会を増やすと言うことは、大人が子供の様子を常に確認し、良かった事や上手にできたことを意識してキャッチしてあげる事が重要になります。

注意や叱責の言い方を変える

やってはいけない行動や危険なことをしていると、つい注意をしたり叱ってしまうことがあります。もちろん注意や怒る事も必要ですが、叱責をしてしまうと子供が行った行動に対し否定として終わりになってしまいます。そのため、注意をする際には見方や言い方に変えることも必要です。

例えば大きな声を出して騒いでいた際に「うるさい!静かに!」と注意をするのではなく、「声を小さくしようね」に言い方を変えてみましょう。言い方を変えて子供が声を小さくする事が出来たら「声を静かにして偉いね」と褒める事に繋げられます。

その場でほめる

良いことや物事を上手に行えた場合には、その場で褒めるようにしましょう。

褒めることを後にしてしまうと、子供本人が行った行動を忘れてしまい、何に対して褒められているのかが分からなくなってしまうことがあります。

すぐに褒めることは、子供が行った行動と褒められるという体験を結びつけることにもなり、本人も「良い行動を取ることができたのだ」「上手に行うことができた」と意識する事にも繋がります。

簡潔にほめる

子供を褒めるときには簡潔で単純な言葉で褒めるようにしましょう。
「○○が上手だったけど、□□ならもっと良かった」などの褒め方さと、注意を受けているのか褒められているのかがわからない事があります。

発達障害の子の中には、言葉を耳から聞いて理解するのが苦手という特性を持つ事もあります。また、長い言葉だと意味を理解することができなかったり、途中で言われたことを忘れてしまうという場合もあります。

子供の状況や発達の段階にもよりますが、基本的に子供を褒める場合には「えらいね」「よくできたね」「がんばったね」「じょうずだね」など簡潔でわかりやすい言葉を使いましょう。

言葉以外でもほめる

言葉以外の行動や物で褒めることも効果的です。

言葉で褒めると共に抱きしめたりハイタッチなどの動作を取り入れることで、褒められたということを感覚的にも子供に強く意識付けることができます。また、褒める際には大人も笑顔で答えてあげたり、少しオーバーアクションな動作を取ると、子供も「褒められているのだ」と意識しやすくなります。

言葉以外の褒め方としては、褒めると同時にごほうびやポイントを与えるなどの方法も良いでしょう。

ごほうびを使う場合には、事前に子供と約束やルールを作り、褒められたり良いことができたら与えるようにします。約束やルールを明確にしないと、ご褒美に依存してしまったり、ごほうびを貰うこと自体が目的となってしまうので注意が必要です。

ごほうびには、おやつを増やす、ゲームの時間を与える、買い物時好きなものを買える、お母さんやお父さんと遊べるなど、子供の特性や好みなどから目標にできるものを設定します。

ポイントなどの場合もルールを作り、褒められて何ポイント溜まったらぼほうびを与えるようにしましょう。ポイントなどでは視覚的にどれ位褒められたのかがわかるので、目からの情報で理解できるほか、後からでも見直せるので物事を忘れやすい子供に対しても効果的です。

難易度を下げほめる

勉強や課題などでは難しいものばかりだと、間違えてしまったり、難しくてできずに褒める機会が減ってしまったり、本人のやる気が無くなってしまうことがあります。

このような場合には、子供本人が出来るレベルまで下げることも必要です。

自分一人で出来る物であれば子供も自信を持って行えますし、周囲の大人も褒める機会を増やす事が出来ます。子供が自信を持って行えやる気が出たら、レベルを戻し難しい問題に挑戦しましょう。

最後にはほめる

発達障害の子は記憶を上書きされる特徴があり、最初に覚えた重要なことよりも最後に覚えた事の方が記憶に残りやすく、重要度やインパクトも後の事の方が大きくなる傾向にあります。

そのため注意や指摘を何度か繰り返してしまった場合には、最後には肯定してあげたり褒める事で終わりにしましょう。

注意を受けたところで終わりになるよりも、最後には褒められる事で気持ちよく終わりにする事ができ、次回行う際の自信ややる気にもつながります。

まとめ

発達障害の子はその障害や特性などから様々な事が困難であったり、問題行動と取られる行為をしてしまい、本人も悩んだり困ったりしています。その関係で褒められる事が少なく、注意を受けてばっかりだと言うことも多いです。

注意を受けたり怒られてばかりでは、本人の自己肯定感が下がってしまい、自信や意欲や積極性の低下に繋がってしまいます。

逆にいえば、褒められたり共感を得てもらうことが子供の自信や意欲の向上だけでなく、子供自体の行動も良い方向へと結びつけることが出来ます。

こんなことは出来て当たり前だと思うのではなく、素直に「よく出来た」「凄い」を思い、子供をたくさん褒めてあげましょう。周囲の大人としても怒ったり注意するよりも、褒めてあげたほうが良い気持ちで子供と接することが出来ます。

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