ウィリアムズ症候群とは
ウィリアムズ症候群とは
ウィリアムズ症候群(ウイリアムス症候群:Williams syndrome)とは、7番目の染色体の異常により発生する遺伝子疾患です。
1961年に医師J.C.P.ウィリアムズにより報告されたため、ウィリアムズ症候群と呼ばれています。
ウィリアムズ症候群の原因
ウィリアムズ症候群の発生原因は7番染色体の11.23領域の微細欠失が原因で発生する先天性の遺伝子疾患です。
7番染色体の11.23領域は約20個の遺伝子が有り、複数遺伝子の欠失により発生します。
ウィリアムズ症候群の発生率
ウィリアムズ症候群の発生率は20000人から7500人に一人の割合でとされ、男女による発生率の差は有りません。
両親のどちらかに関連する染色体微細欠失が見られる場合、子供のウィリアムズ症候群の発生率は50%近くなります。また、母親に染色体微細欠失が見られる場合は重度の成長障害や小頭症が発生することが有ります。
ウィリアムズ症候群の特長
外見の特徴
ウィリアムズ症候群の外見は、「大きめの口」「太い眉毛」「眼間狭小」「上を向いた鼻」「小さめのあご」などが見られ、「エルフ顔(妖精様顔貌:elfin face)」と呼ばれることがあります。
性格
ウィリアムズ症候群の性格として「社交的」「おしゃべり」「人に優しい」「警戒心が薄い」「音楽が好き」という特性があります。
音楽は好む傾向ですが、聴覚過敏を持つことも見られ、特定の音を極端に嫌ったり、物音が聞こえたり騒がしい場合には耳をふさいでしまう事が有ります。
知能・知的障害
知能指数はおおよそIQ50からIQ60程度(通常の大人でIQ100程度)で、大半は軽度から中度の知的障害を持っています。
視界からの空間認識力や注意力は劣っている場合が多く見られますが、音楽感性、記憶力、言語の発達は比較的良好で、初めての人にも自分から話しかけたりスキンシップを取るこ事も多く見られます。
疾病
ウィリアムズ症候群に関連する疾病には以下のものが多く見られます。
- 先天性心疾患(大動脈弁上狭窄、末梢性肺動脈狭窄など)
- 乳児期高カルシウム血症、高カルシウム血症
- 高血圧
- 動脈狭窄症
(大動脈弁上狭窄、末梢性肺動脈狭窄、腎動脈狭窄、冠動脈狭窄など) - 泌尿器疾患
(石灰化腎、尿路結石、低形成腎、膀胱憩室、膀胱尿管逆流など)
その他の特徴
その他の特徴として、微細運動が苦手、夜尿・頻尿、便秘などが有ります。
全年齢を通して高カルシウム血症であることが多いため、「カルシウム」やカルシウムの吸収を促す「ビタミンD」およびビタミンDを含む「総合ビタミン剤」の摂取には特に注意が必要となります。