席から離れてしまったり、待てずに立ち歩いてしまう

   2019/05/28

席から離れてしまったり、待てずに立ち歩いてしまう

発達に遅れの有る子の特徴として、授業中に席からはなれて立ち歩いてしまったり、一箇所で留まれずに立ち歩いてしまうという行動が見られる場合があります。

授業中に立ち歩いてしまうと授業の妨げになるだけでなく、子供本人が学習する機会を失うことにも繋がります。

では、席から離れてしまったり、待てずに立ち歩いてしまう子供はどの様な理由から、その様な行動を取ってしまうのか調べてみました。

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子供が席から離れたり立ち歩いてしまう理由

子供が席から離れてしまったり、立ち歩いてしまう理由には、ADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害の特徴としての行動や、周囲の環境、状況の理解、筋肉や体幹の発達の遅れなど様々な理由が考えられます。

離れてしまう理由を調べる

定期的に場所から離れてしまう子供の場合には、どの様な状態や環境の際に離れることが多いのか調べて理由を考えてあげるのも効果的です。

主な理由には「長時間は難しい」「音や人の声が苦手」「興味を引くものがある」「椅子が座りにくい」「筋力た体幹の問題で姿勢保持が難しい」「場の状況や行うべき事がわからない」「授業や課題が難しい」などが考えられます。

席や場所から離れてしまう理由がある程度掴む事ができれば、その対処を行う事で子供の落ち着いて居られることが多くなると思います。

留まる理由や離れてはダメな意味を理解させ見通しをつける
ただ単に「ここに居て」「待ってて」「座ってて」と言われても、それを行う理由が分からないと子供の混乱してしまったり、落ち着いて行動が取れません。

その場で留まる際には、しっかりと子供に分かるように座っている理由や待つ意味を伝えましょう。また、見通しが付かないと不安になってしまう事が多いので、どの程度待つのかなど今後の予定などもしっかりと伝えることが必要です。

理由を理解してもらった後で立ち歩いたり移動してしまう際には、その都度状況や移動しない理由を確認し、子供本人に納得してもらいましょう。

指示の理解が乏しい


子供の中には指示された内容が分からなかったり、指示されても理解が出来ないという場合があります。

言葉で「座って」「ここで待ちます」と言っても理解が難しい場合には、文字で書いて見せたり、絵カードや写真などを用いて視覚からの情報を取り入れたほうが理解を得やすいという場合があります。

また、机の脇や見える位置に「座ります」「立ち歩きません」など書いたメモや、絵カードを置いておき、定期的に子供に見てもらうことで意識を継続させるという方法があります。

教室などでは教壇など本人から離れた位置から話しかけても意識されない場合もあるので、本人の近くで声をかけたり、本人の名前を呼んで気付かせてから声をかけるのも効果があります。

なお、座るように指示をすると共に、どの程度座っているのか、この場所で何をするのかなど、これからの予定も教えてあげることで子供も見通しが付き落ち着いてその場に居られることが多くなると思います。

周囲の人の興味を引きたい

発達に遅れの有る子供の場合、適切にコミュニケーションをとる事が難しい場合があります。そのような場合相手の興味を引きたいが為に、『ふざける』『他人を叩いたり引っ張ったりする』と言った行動を取ることがあり、立ち歩きなどもその方法の一つになっている場合があります。

そのような場合に教室で立ち歩くことにより、お友達から注目や、先生からの注意や声かけを得ようとしてしまいます。

他人の興味を引くために立ち歩いてしまうような場合には、挙手をして先生を呼ぶなど正しいコミュニケーションの方法や、皆の前で発表したりお手本係りを行うなどして周囲からの関心を得ると言った方法を教えましょう。

椅子や机が体に合わない


授業中席に座っていることが難しい子供の場合、自分の椅子や机が体に合っていないということも考えられます。

机や椅子はサイズだけでなく、足が床に正しく付くか、背もたれや座面が滑りやすい素材でないか、座り心地などが重要になります。

感覚過敏を持つ子供の場合には体が触れる面の感覚に不快を感じていたり、筋力や体幹が弱い子供の場合には上手に体を支え難いということもあります。

椅子や机が体に合わない場合には、クッションや滑り止めマットを使ったり、足を置きやすい台を設置するといった方法もあります。

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席から離れてたり立ち歩いてしまう場合の対処方法

発達障害の子供が座席から立ち歩いてしまう際にどうすればよいのか、基本的な対処方法を紹介します。

離れたいときは報告をする

席から離れたい場合には自分から先生や親などに報告させるという方法があります。

報告する内容には「なんで動きたいのか」「何処へ行きたいのか」「何をしたいのか」など子供の思っていることを伝えてもらいましょう。ただ単に動きたいだけかも知れませんし、周囲の音を苦痛に感じていたり、椅子の座り心地や場所の居心地に不快感を感じているということもあります。

子供から報告してもらうことで、子供の今の気持ちや行いたい事だけでなく、気になる事、苦痛や不快を感じている事などを知ることが出来るので、適切な対処を行う事ができます。

とどまる場所を明確にする

「この場所から離れないで」と言われても、「この」場所が何処だか分からないということがあります。

とどまる場所が分からない場合には足元に目印を付けたり、椅子や座布団などを用意して座ってもらうなど、具体的に場所が見て分かるように理解させる必要があります。

ある程度動いても良い場合などは動いても良い範囲を囲ったり、「この柱まで」「この室内」など子供がわかり易いように範囲を指定してあげましょう。

立ち歩いても良い場所や時間などを決める


何らかの理由で落ち着けず立ち歩いてしまう子供の場合には、無理にその場にとどめておくとストレスが溜まりパニックになるなどして逆効果であることもあります。

そのような場合には予め移動してよい場所や距離、動いてよい時間などを約束事で決めておくという方法もあります。

立ち歩いてよい場所は保健室やクールダウンを行う部屋や個別スペースまでと決めたり、自分の席の周りに目印を付けその範囲内などと決めましょう。時間はタイマーなどを用意して具体的に何分と決めたり、気持ちが落ち着いたら戻るなど、その子供に合った方法をとりましょう。

とどまったり座ったり出来る時間を調整する

子供の中には一つの物事に集中できる時間が短い子供がいます。集中できる時間が短いと授業中などに立ち歩いてしまう原因の一つにもなります。

長時間座っていたり一つの場所意とどまることが難しい場合には、時間を調整していきましょう。

最初は短い時間から挑戦し、慣れて来たら徐々に時間を増やすようにしましょう。この際にはタイマーなどで時間を示したり、時計の針が3の数字に来たらなど、子供が残り時間を理解できるようにしてあげましょう。

定期的にストレッチや体を動かす時間を作る


体を動かしたい子供の場合は、体を動かさずに座っていたりその場に留まっていることは苦痛に感じることがあります。

そのような子供の場合には定期的に伸びやストレッチを行わせて体を動かす時間を作ってあげる方法があります。

教室の授業中などで大きく体を動かさせることが難しい場合には、前に出て質問に答えてもらったり、配布物を配る係りや道具を取ってきてもらう係りなどをお願いし、少し歩いてもらうといった方法もあります。

課題や作業を小分けに行い、一つのことが終わったその都度報告に来てもらったり、次の課題や道具を受け取りに来てもらうという方法もあります。

事前に運動をしてエネルギーを発散させる


エネルギーが有り余っていて動き回ってしまう子供の場合には、事前に運動などをさせてエネルギーを発散させる方法もあります。

体を動かしたくてしょうがない子供に対して、動くなと留まらせておくのは難しいものがあります。まずは、本人が動きたいだけ動いてもらい、落ち着いたところで授業の為に座らせたり、所定の位置に移動してもらいましょう。

実際に私が係わっている子供の中にも、特別支援学校で授業の前にグラウンドをジョギングして落ち着いてから授業に挑む子供や、机上の作業の前に腹筋運動やマット運動などを行ってから作業に取り組むと行った子供のいます。

ストレス解消グッズや安心グッズなどを使う

椅子などに座っていても体がそわそわ動いてしまったり、手遊びなどが多くて目立ってしまう場合には、ストレス解消グッズや安心グッズを持たせるという方法もあります。

代表的なものにはスイッチやボタンを押せるもの、握ったり指先で押して感触を楽しむものなどがあります。

一昔前に話題となった無限プチプチやハンドスピナーなども、ストレス解消や集中力を高めるために使っている人も多いようです。

安心グッズにはその子本人がもっていて落ち着ける物を用意してあげましょう。

まとめ

子供が一つのところに留まれず、立ち歩いてしまうのには子供の特徴や特性だけでなく、多くの理由が考えられます。私たち大人でも長時間その場に留まったり、着座をしているのは苦痛でもあり、子供の同じように感じているはずです。

まずは子供の気持ちになり、どの様な理由で動いてしまうのかを考えて対処をしてあげる必要があります。音が敏感な子供の場合にはイヤーマフをつける、座席を一番前にする、興味を引きそうな掲示物や物を置かないなど、子供が落ち着いて居られるような環境を整えてあげることも重要です。

その場に留まっていることが出来たり、立ち歩かず着席が出来た場合には、褒めてあげ自信をつけてあげることも必要になります。

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