自閉症は失敗を嫌い失敗を極端に恐れる

 

自閉症は失敗を嫌い失敗を恐れる

様々な物事の経験をつんでいない子どもや失敗することを恐れてしまいます。特に自閉症や発達障害などの障害を持っているとその傾向が強いようで、失敗を恐れたり過去に失敗してしまった事に挑戦するのを嫌がる事があります。

では自閉症や発達障害の子どもはなぜ失敗を恐れたり、失敗を嫌がるのでしょうか。

自閉症は失敗を嫌い失敗を恐れる理由

自閉症や発達障害の子どもが失敗を嫌ったり恐れる理由を、記憶に関する面や、物事への理解などから調べてまとめてみました。


嫌な記憶が残りやすい

基本的に記憶は悪いことや嫌なことが残りやすく、自閉症や発達障害の人は特にその傾向が見られるようです。

何かに失敗してしまい『怒られる』『恥をかく』『行動が出来なくなる』などの記憶が残ってしまうと、失敗するのを恐れてしまいます。

また、時間の流れの概念を理解したり記憶するのが難しい事もあり、『フラッシュバック』や『タイムスリップ現象』で、大昔に失敗した事をたった今失敗したかの様に思い出して不安になったり、パニックになったりすることもあります。

関連ページ
フラッシュバックやタイムスリップ現象| 発達障害-自閉症.net

失敗の部分しか記憶に残らない

失敗したという事実も、どのように行ったから失敗した、どの場面で失敗したという記憶は残らないようで、ただ単に「失敗した」という記憶だけが強く残ることが多いようです。

そのために『失敗』のイメージだけが残ってしまい、「前回よりも良かった」「ここまでは成功していた」という失敗した中での良い部分が思い出せないため、上手く生かすことが出来ず嫌な思いしか残らないということもあります。

また、途中までの記憶が残らないことで、反省や課題など次回の挑戦に生かすことも難しくなります。

成功と失敗しか理解ができない

自閉症や発達障害の人には『あいまい』な部分を理解することが難しく、『成功』か『失敗』のように、100か0かのような判断しかできない事があります。

健常者であれば、『半分は成功した』『前回よりも上手く出来た』『失敗だが、間違えた部分を直せば次回は上手くできる』などの判断を行い、次回へ繋げて生かすことが出来ます。

しかし、あいまいな判断が出来ないと、成功でない場合はすべて失敗と受け止めてしまい、失敗の経験を多く重ねることで、失敗を恐れることに繋がる場合があります。

逆に大雑把な性格であると、大失敗以外はすべて成功と受け止める事もあります。
これは一見良い事のようにも思えますが、本人は成功していると思っているため「ここが間違ってるよ」など指摘すると不安定になったりパニックになったりすることもあります。

何が失敗したか理解できない

物事の失敗した部分や、失敗自体を理解できていないということもあります。

この場合何が悪いのか、どこを失敗したのかわからない状態で、他人から怒られたり注意を受けてしまうため、特に嫌な思いが残ってしまったり、混乱してパニックなどに繋がってしまう事があります。

この様な場合『これをやると理由もなく怒られる』『これをすると注意される』と思い込んでしまい、その物事に挑戦するのを嫌がるようになります。

失敗を予想できない

健常者であれば不安や自信が無い事に挑戦する場合「失敗するかも」と思うこともあり、失敗した場合に「失敗したらこの対処方法を取ろう」というところまで考えることができます。

自閉症や発達障害の人は行動にたいして「失敗するかもしれない」「上手くいかないかもしれない」という事を予想して行動することが困難です。

そのため、不意に失敗した場合には自分の考えていた事以外の自体が発生してしまうので、どのような行動を取ってよいかわからず、混乱し、場合によってはパニックを引き起こす事もあります。また、思い通りの行動が取れなくなってしまい癇癪や不機嫌になる事も見られます。

リズムや流れが狂ってしまう

自閉症や発達障害の人は変化を極端に嫌い、自分で理解が出来る決まった流れやスケジュールで行動を取るのを好みます。

自分の予測していた流れが崩れてしまうと、何をして良いのかわからなくなってしまい、混乱して気持ちが不安定になったり、場合によってはパニックにも繋がります。

そのため、失敗をすると自分の予定していた流れが崩れてしまい見通しが立たなくなるので、過去に失敗した事や苦手なことに対して挑戦するのを嫌がります。

失敗に対するリカバリーが出来ない

失敗した際にどのような対処をすればよいのか、どのようにリカバリーをすればよいのかわからないという事もあります。

失敗する物事に対しても対処方法やリカバリー方法は様々で、大人でも失敗に対して正しい対処が出来ず、事が大きくなったり、損害を出してしまったり、相手を怒らせてしまう場合なども多くあります。大人でも難しい失敗への対処法を、子どもが理解するのも難しいでしょう。

そのため、失敗してしまったら周りの人に助けを求める、先生やお母さんに声をかける、相手に謝るなどの比較的簡単な対処法でも理解をしてもらうと子どもの安心に繋がります。

立ち直りが遅い

人は失敗をしてしまうと少なからず「反省」「恥ずかしい」「嫌な思い」などストレスとして心にダメージを負ってしまいます。

健常者であれば失敗を次に生かして気持ちを切り替えたり、趣味やスポーツなど好きなことをしてストレスを発散することが出来ます。

しかし、自閉症などの発達障害の場合には、嫌な気持ちを打ち消したり、ストレスを発散する方法がわからない事が多いです。また、失敗してしまったことばかりをいつまでも思い込んでしまい、なかなか記憶から消せず立ち直るのに時間がかかってしまう傾向にあります。

一時的に忘れても場所や状況などが失敗した場面と似ていると、失敗した出来事を再び思い出して再度落ち込んでしまうということもあります。

恥をかいてしまう

集団活動を行う幼稚園や学校などでは、皆の前で一人ずつ行う事も多くなります。代表的なものには、教室の前に立って問題を解いたり、体育などの際には一人ずつ鉄棒や跳び箱などを行う事があります。

このように人前で行うことで失敗をすると、皆に見られるだけでなく、笑われたり、からかわれたりしてしまい、その事が嫌で失敗を恐れてしまいます。特に学校ではお友達の前での恥は強く心の傷として残ってしまいます。

自閉症や発達障害の子どもは健常児が普通に出来ることでも、困難を伴うことが多々あります。皆が失敗する事無くこなしている事を自分ひとりだけが失敗してしまうと自信の低下にも繋がります。

また、人前で行うことで、人に見られること自体がプレッシャーとなったり、人と比べられることが怖くなってしまうこともあります。

失敗の経験が多い

自閉症や発達障害の子どもは健常児よりも苦手なことが多く、物事に失敗する回数を多く経験しています。健常児が1回で出来るようなことでも何度も失敗してしまったり、短時間で出来るようなことも長い時間がかかってしまったということもあります。

また、どうしてもお友達や兄弟と比べられてしまい、失敗に対する恐怖心や、物事に挑戦する自信が低下している事もあります。

失敗への予防方法や対処法

自閉症や発達障害の子どもが失敗を行うのには様々な理由がありますが、失敗に対しての予防や対処をする方法もあります。
これらの項目で全ての失敗への予防や対処が出来るわけでは有りませんが、参考にする事で子どもへの自信を強めたり、失敗への不安を取り除くことが出来ると思います。

お手本を見せる

お手本を見せることで、行う行動や作業を理解し失敗を防げる事もあります。

特に行動をする前に周囲の人に「どうするの?」「何をやるの?」と声をかける子どもや、周りの様子をキョロキョロと眺める子は、これから行うことがわからなかったり、不安になっていることが多いです。

このような場合には、指示を出したり、お手本を見せることで、実際に行うことを理解し自分の中で成功のイメージが掴める為に、失敗を恐れず行える事もあります。

お手本や指示は子どもの理解度や行う物事や環境にもよりますが、「声での指示」「図や写真を見せる」「実際に行ってみせる」など一番状況に適した方法をとりましょう。

予め練習をする

失敗をしてしまうことに対して予め練習をするのも効果的です。

練習をすることで物事への取り組みや理解が深まるだけでなく、成功の回数を重ね成功体験を積むことで自分への自信にも繋がります。

成功に向けて誘導する

行動で失敗しそうな場合や困っている場合には、助け舟を出して成功に向けて誘導するのも効果的です。

困って不安になっている場合には近くで声を書けたり、時には一緒に行ってあげることも必要になります。

簡単な課題から行う

失敗への不安から課題への行動に移せない場合には、課題のレベルを下げて簡単なものから行うという方法があります。

まずは確実に出来るレベルの課題から行うことで自信をつけさせ、徐々にレベルアップして良くと良いでしょう。

いきなり難しい課題を与えられると失敗の幅も大きくなり『大失敗』となってしまいますが、小さいステップアップでの課題で失敗だと失敗の幅も小さく、本人の中でも許容できる失敗だということもあります。

失敗しない環境を作る

失敗が続くことで自信をなくしてしまったり、物事に取り組むことが出来なくなってしまう場合には、失敗を少なくする環境を作ることも必要となります。失敗を少なくする方法には、予め練習を行う、補助をするなどがあります。

本来であれば失敗を重ね、経験や工夫を学んでいくのが良いのですが、自閉症や発達障害の子どもの場合、失敗を重ねて一度でも自信を無くしてしまうと、その自信を取り戻すのに大きな時間と経験を要します。

実際に小さいときに兄弟やお友達と比べられ、物事に対して自信を持つことが難しくなってしまい、大きくなっても新しいことや苦手なことを行うのを嫌がってしまう子どもと接した事もあります。

失敗を恐れてしまう場合には、失敗しない環境を作り、まずは成功体験を重ねて自信をつけさせる事が重要になります。成長して失敗に対しても負けないようになってから、失敗を元に学ばせるのも遅くは有りません。

失敗しても大丈夫だと教える

失敗してしまった場合には「失敗しても大丈夫だということ」と「失敗した場合にどの様に対処をすればよいか」を教えることも必要になります。

失敗をする中で失敗しても良いこととその対処法を学ぶと、失敗しても混乱したりパニックになったりすることも少なくなり、失敗した物事へ再度挑戦できるようになります。

失敗した場合を教える

自閉症や発達障害の子どもは予測をすることが苦手で、失敗した場合にどうなるかを予想することが出来ません。

そのため、予め失敗した場合にどうなるかを教えると効果があることもあります。失敗した場合を知れば「失敗してもその程度か」「失敗してももう一度やり直せばよいや」とわかって安心する事もあります。

子供によっては失敗した場合を知ってしまったため逆に不安になる事もあるので、子供の特徴によっては間違った対処法になるので注意が必要です。

失敗を成功に繋げる

物事に失敗した場合、そこで終わりにしてしまうと失敗経験としてしか本人の記憶に残りません。

どんなことでも失敗する直前までは何かしらを成功しているはずです。

失敗してしまった場合でも「ここまでは成功した」「この部分は成功した」とほめてあげることで、失敗場合でも成功した経験にしてあげることも効果があります。

まとめ

自閉症や発達障害の子どもが失敗を怖がったりするのには様々な理由があります。

失敗を恐れてしまう場合にはどのような理由や状況で失敗を恐れているのかを周囲の人が理解し、落ち着いて挑戦できる環境を作ってあげることが重要になります。

失敗はどんな人にも必ずある体験で、それを乗り越えて成長します。自閉症や発達障害の子どもも必ず何らかの失敗を乗り越えなければなりません。失敗した場合でも本人が納得できる方法や許容できる範囲を考えてあげることも必要になります。

失敗を乗り越えた成功は子ども本人の大きな自信となり、今後の成長につなげていくことができます。

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