自閉症や発達障害者がストレスを感じイライラする理由と原因

 

自閉症や発達障害者がストレスを感じイライラする理由と原因

自閉症などの発達障害の子供は、色々な物事にストレスを感じイライラする事が多く見られます。

イライラしてストレスが溜まると本人の中でも気分が落ち着かなくなるばかりか、パニックや癇癪などにも繋がります。場合によっては自傷行為をしてしまったり、他害行為や他障行為に繋がる事も有ります。

そこでこのページでは、自閉症や発達障害の子供が、ストレスを感じたりイライラしてしまう場面や物事について代表的なものをまとめてみました。なお、全ての項目が自閉症や発達障害の子供に当てはまるわけではありません。

ストレスの感じる場面や感じ方は人により様々で、このページに書かれていないちょっとした些細なことでも多くの不安やストレスを感じてしまう子供の多く居ると思います。

ストレスを感じてしまう場面や行動

自閉症や発達障害の子供が、ストレスを感じたりイライラしてしまう場面や物事について代表的なものをまとめてみました。


思いや意思が伝わらない

自閉症の特徴として「コミュニケーションの困難」と言うものが有ります。自閉症の人は言葉が出なかったり、言葉が出ても正しい会話をする事が苦手です。
そのため、自分の思いや意思が他人に中々伝わらず、イライラして怒ったりパニックに繋がってしまいます。

自閉症の子供が怒ってパニックになってしまうのは、結果として「コレは嫌だ」「コレが怖い」「これが欲しい」など、自分の思っている事や訴えたいことが他人に伝わらず、どうしようもなくなってしまう大半の理由です。

学校

学校などに通っている場合は、学校でのストレスや不安などで帰宅してもイライラする事が有ります。学校でのストレスの原因は「友人関係」「授業内容」「嫌いな授業があった」「作業が上手に出来なかった」「先生に怒られた」「嫌いな給食だった」など様々です。

学校でも特に不安定になってしまった場合には先生から連絡帳などで引継ぎがあると思いますが、極度にストレスを感じていたり、長期間に渡ってイライラしている場合には学校の様子を聞いてみる必要が有ります。

行事

学校などでは行事が有ることでストレスを感じイライラする事が有ります。運動会や学芸会などだと1ヶ月近くも練習を重ねることから、身体的・肉体的にも疲れやストレスを感じてしまいます。

発表やお泊りなど不安な行事や苦手な行事があると、その行事に対してストレスを貯めてしまう事も有ります。

3月、4月では卒業や進級・進学のイベントがあり、学校の変更、先生やクラスメンバーの入れ替え、教室の位置など様々な物事が変化するので特にイライラしたり不安になったりしてしまいます。

夏休みや冬休みなどの長期休暇後も、連休のだらだらした生活から学校の生活になじめずストレスを感じてしまう事が多く見られます。

季節

季節によりイライラする事も有ります。季節の変わり目で気温の変化に体がついていかない場合や、我々と同じように夏の暑さや湿度でイライラとストレスを溜めてしまう事も有ります。

季節の変わり目は体にも負担がかかるため、風邪などの体調不良に注意をするほか、癲癇(てんかん)の発作などを持っている場合には、発作も発生しやすくなるので特に気をつける必要が有ります。

暑さ・寒さ・湿度

自閉症の子供は、暑さや寒さにも敏感でストレスを感じてしまうことが有ります。単純に気温の高さ低さだけでなく、暑いことで衣服が不快になったり、お気に入りの長袖を着られなくなるという理由でイライラして怒ったりする事も有ります。

湿度も同様で極端に湿度が高くじめじめしていたりすると、不快を感じイライラすることが有ります。

子供によっては発汗作用などの体温調節が苦手な場合もあるため、気温に適した衣服の調整やエアコンでの温度管理を行う必要も有ります。

音や声

自閉症の子供は聴覚過敏という音や声を苦手とする特徴が有ります。
そのために、うるさい場所や騒がしい場所ではストレスを感じてイライラしてしまうことがあります。

特定の音だけを嫌ったり、周囲の人が全く気が付かないような音にも過敏に反応してしまうことが有ります。音が苦手と感じている場合には耳栓やイヤーマフを利用するのも効果が有ります。

関連ページ
音が苦手(聴覚過敏)- 自閉症と発達障害の特徴・特性 | 発達障害-自閉症.net

関連ページ
自閉症と耳をふさぐ行為 | 発達障害-自閉症.net

臭い

感覚過敏の一つで嗅覚が非常に敏感な子供もいます。
嗅覚が敏感な場合は、ちょっとした臭いや香りでも過剰に嫌がったりしてしまいます。健常者が気が付かないような僅かな臭いや、私たちが良い香りと感じる芳香剤や香水の臭いなどでも極度に不快に思いイライラする場合が有ります。

明るさや暗さ

強い光や暗さにも不快を感じてしまう事が有ります。
太陽の光などでストレスを感じている場合にはカーテンを閉めたり、窓際から離すなどの対応方法が有ります。暗さでストレスを感じている場合には、ライトや蛍光灯などで明るさを調整したり、明るい場所や部屋に移動をします。
野外ではメガネやサングラスなどで光を調整するのも良いでしょう。

また、全体的な明るさではなく、テレビやディスプレイ、電化製品の電源ボタンなど一部の光に反応してしまう事もあるので注意が必要です。

睡眠不足

自閉症や発達障害の二次障害として睡眠障害を持っている事が有ります。
睡眠障害にも様々有りますが、長時間寝る事が出来ないための睡眠不足、毎日決まった時間に寝ることが出来ず体調不良などからストレスが溜まることが有ります。

睡眠不足で眠いときに起こされたり、何かをやらされるなどで怒ってしまう事もあります。

食べ物

食べ物に対しても好き嫌いが多いだけでなく、様々なこだわりを持っている事が有ります。食べ物でのこだわりと言うと食感、色、味、臭いや香り、温度などなど。中には同じ食べ物でもメーカーやお店が違うと食べなかったり、昨日は食べても今日になったら食べなかったりと様々です。

食べ物に対してもこだわりを多く持つことが有るため、好きなものが食べられなかったり、嫌いなものを食べさせられたりしてストレスや不安を感じてしまう事が有ります。

また、食べたいもの無くお腹が空いているのに食べることが出来ないでイライラする事が有ります。その場合には予備として好きな食べ物を用意しておくと良いでしょう。

空腹や喉の渇き

空腹である場合や喉が渇いている場合などに、イライラしてしまう事が多く見られます。特に成長期の子供はすぐにお腹が空いて、食べ物が欲しいと怒ってしまいます。

喉の渇きも同様で、暑い日は勿論のこと、お腹が空いている際に物を食べる代わりに沢山の飲み物を飲み、腹を満たそうとして強く要求する場合が有ります。また、薬などを服用している場合には副作用として喉の渇きや空腹を訴える事もあるので注意が必要です。

排便や排尿などのトイレ関係

トイレに行きたい時や尿意や便意を感じているときにも、イライラしたりする事が有ります。自閉症の子供の中にはこだわりや残尿感などから短時間でトイレに行きたくなる場合があったり、服薬の影響で喉が渇き沢山の水分を取ってしまうのでトイレの回数が多くなる事が有ります。

また、便秘や下痢などの場合は私たちと同じように腹痛や不快感を感じるためイライラしたりストレスが溜まります。

体調不良

風邪や腹痛や寝不足などの体調不良で不快感を感じていたりイライラしてしまう事も有ります。体調不良の場合には体を休ませることと、病院に行ったり適切な服薬で早くからだの調子をもどすことが必要になります。

アレルギーやアトピー

自閉症などの子供は様々なアレルギーを持っていることが有ります。
代表的なスギの花粉症では春先に症状が出るため、その時期にストレスが溜まります。イネ科やブタクサなど杉とは別の種類の植物の花粉症を持っている場合は、対象となる植物の花粉が舞う時期に症状がでて体調が悪くなったりイライラする事が有ります。

アトピーなどを持っていると、肌が乾燥する時期や汗を沢山かく時期に体が痒みや痛みなどでストレスが溜まってしまいます。

フラッシュバックやタイムスリップ現象

フラッシュバックやタイムスリップ現象により、過去の嫌な出来事を思い出してしまいストレスを感じてしまう事も有ります。

フラッシュバックとは、過去に起きた嫌な出来事を突然思い出してしまう事です。

自閉症人は時間の概念に乏しく、時間を流れでは無くその時々の点で覚えていることが有ります。そのために時間の流れや前後関係がバラバラになってしまい、何ヶ月も昔の前の出来事でも今さっき起きた事だと思い込んでしまう状態をタイムスリップ現象と言います。

関連ページ
フラッシュバックやタイムスリップ現象- 自閉症と発達障害の特徴・特性 | 発達障害-自閉症.net

順番が違う

自閉症の子供だと「1番が良い」など順番にこだわったり、物の並べ方や行う物事に、自分なりの順番を持っていたりします。この順番が崩れてしまったり、普段と違う順番になってしまった場合に、ストレスを感じてイライラしてしまうことが有ります。

順番を待つことが出来ず何でも1番に行いたいという場合、待たされたり順番が1番以降になってしまうとイライラとしてしまうことが有ります。

絵本やマンガや玩具など並べ方にこだわりが有ると、その並び順が違うだけでストレスを感じます。並べ方も本人独自のものでマンガなどは巻数順ではなく絵柄や色順などで並べる事も有ります。並び順が違ってストレスを感じている場合には、本人に並びを直させることで落ち着かせることが出来ます。

自閉症の特徴に「同じ物事のパターンや習慣化」と「儀式的行動」と言うものがあり、毎回行っている行動が出来なかったり、順番が変わってしまうと非常に不安を感じてしまいます。儀式的行動には常に同じ行動を行い安心をはかりたいという気持ちもあるため、順番のある同じ行動が取れないと落ち着かなくなってしまいます。

見通しが付かない

この先の見通しが付かないととても不安になり、イライラしたりパニックを起こしてしまうことが有ります。
見通しが付かないと不安になってしまう場合には、予め当日や今後の予定を教えて納得してもらうと不安を取り除くことが出来ます。

予定の変更

自閉症の人は、本人の中で予定していた物事が無くなった場合や、逆に全く予定していないことが発生すると、急に対応をする事が出来ず不安になったりパニックになってしまうことが有ります。

予定の変更が発生する場合には予め説明をして納得してもらい、今後のスケジュールを改めて理解してもらう必要が有ります。

環境が変わる

自閉症の子供は変化を嫌がり細かい違いに敏感なため、普段生活や活動をしている環境が変わってしまうと不安になったりストレスを感じてしまいます。
環境の変化には何らかの理由で部屋が変わる、物の向きや配置が変わる、先生などのいつも居る人が代わるなどが有ります。

物の並び順が変わったり、物が1つ無くなっているだけでも普段と違うと思って、不安を感じてしまう事も有ります。

不安な人や動物が居る

不安を感じる人がいたり、動物などが居るとストレスを感じてイライラする事が有ります。

不安を感じる人には、威圧感が有り見た目が怖い、警察官や警備員など特定の制服を着ている、よく怒られている学校の先生や苦手な人に似ているなどが有ります。

動物が嫌いな子供の場合には犬や猫、カラスや虫などを見かけると怖くなったり不安になったりしてしまう事が有ります。

嫌いな事や苦手な事を行う

私たち健常者もそうですが、嫌いなことや苦手なことは非常に大変でストレスを感じてしまいます。自閉症や発達障害の子供も、些細なことが難しかったり苦手である場合が多いため、他人が簡単だと思うような事でも非常にストレスを抱えてしまいます。

好きなことや楽しいことをやらせてもらえない

自閉症や発達障害に限った事ではありませんが、子供は好きなことや楽しいことが出来ないと、イライラしたり怒ってしまう事が有ります。
好きなことばかりをやらせても良くは無いので、好きなことをやっても良い時間とそうでない時間をはっきり区別させメリハリを持たせることが必要になります。

自分のペースで物事を行えない

行動を自分のペースで行うことが出来ないと非常にストレスを感じてしまいます。行動を行うペースは人によりそれぞれなので、個々にペース配分が出来る場合にはその子供が行動を行いやすいペースでやらせるのが良いでしょう。

まとめ

自閉症や発達障害の子供は様々な事に敏感であり、それらに対応をする能力も乏しいため、我々健常者が感じている以上に色々なことから多くのストレスを感じてしまいます。

また、感じたストレスに対して対応するのも難しく、本人もどうしてよいのか分からず、パニックや自傷行為・他害や他障行為に繋がってしまいます。

一番良いのはストレスを感じさせないことですが、生活の環境の中ではそれも難しいものが有ります。ストレスを感じそうな場面に出くわしたら、本人が回避や対応をしたり、ストレスを発散させる方法を学べるように促すことと、耐えられる程度の小さなストレスからストレス耐性をつける事が今後の本人の為にも必要となります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket